愛がないものに時間をかけるほど暇ではない
すべての画像を見る(全5枚)さらに根本的な話として、自分にとって愛があるものだけを丁寧に扱うと決めている人がイタリアには多いのだと思う。みんな愛がある対象は丁寧に扱い、それ以外はそれなりの扱いでいいと割り切っている。人生は愛がないものにまで時間をかけているほど、暇ではないのだ。自分が愛するもの以外は、失礼でない程度に適当な扱いでいいのだとイタリア生活を通して知った。日本にいた頃はすべてのもの、すべての人をできるだけ丁寧に扱うべきだと思っていたけど、今はまあそんなこと無理だよねと、諦めつつ生きている。
イタリアでの雑な扱いに悲しくなったり、差別的な扱いをされて腹が立ったりすることもある。でも、ただ雑なだけならそんなに気にせずに「人間ってそんなときもあるよね」と、気楽に過ごすほうがずっと楽だなと今は思う。
『いいかげんなイタリア生活』(ワニブックス刊)では、ほかにもワダさんが15年暮らして感じた、イタリアの“ちょうどいいかげん”な生き方をたっぷり紹介しています。読むと心が軽くなること間違いなし!