日本ではピザと言えば、人が集まったときにシェアをして食べるイメージがありますが、本場のイタリアでは違うそう。イタリア人の夫と2人の子どもとイタリアに15年住み、noteやXでイタリアの暮らしを綴ったイラストエッセイが話題のイラストレーター・マンガ家のワダシノブさんは、「イタリアのピッツァは日本のうどんとほぼ同じ」と話します。そんなイタリアのピッツァ事情について教えてくれました。

ピザを食べるイラスト
本場のイタリアのピザ事情
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イタリアのピッツァは日本のうどんとほぼ同じ

ピザあれこれ

イタリアで何年か暮らすうちに気づいたことがある。それは、イタリアにおけるピッツァのポジションは、日本でのうどんとほぼ同じだということだ。原材料が小麦粉ということもあるが、じつはそれ以外にも共通点がたくさんある。ざっと挙げてみるとこんな感じだ。

・どこにでも店がある。フードコートにも必ずお店がある。

・シェアして食べない。1人で食べることも、大人数でテーブルを囲んで食べることもあるが、基本的にはシェアせず、1人1枚が基本。

・メニューで悩まない。みんな自分の定番の味を持っている。

・値段が安い。切売りなら3~5ユーロ(日本円で約400~700円)、1枚丸ごとなら6ユーロ~(約800円~)。

・トッピングの選択肢が多い。

・注文してから出てくるまでが早い。

子どもはだいたい好きだということも、うどんに近い理由の1つかもしれない。香川県がうどん県なら、ピッツァ県はピッツァ発祥の地であり、イタリアでいちばんおいしいピッツァが食べられるナポリだろう。もちろん、福岡うどんや稲庭うどんが好きな人がいるように、ローマピッツァを最高だと考える人もいるし、フォカッチャがいちばんという人もいる。結局、どこのうどんもピッツァもだいたいおいしい。

みんなでパーティばかりではないピッツァの立ち位置

ピッツァ濃度が高い国で、さらにピッツァ県ナポリ出身者のパートナーと暮らしている私は、週に1度はピッツァを食べている。

ピッツァをうどんだと思えば、「“みんなでパーティ!”なピッツァ」ばかりでなく、「“疲れて家から出たくないから”ピッツァ」と、イタリア人のピッツァに対するテンションがかなり低い日があることも納得できる。外で友達と食べる時は気分が上がるけど、家で食べる場合はそうでもない。それでもピッツァはピッツァだ。