「離れて暮らす親が心配」と思う子世代の方も多いのでは? そんな方におすすめしたいのが「最新のIT機器」。IT機器をうまく活用すれば、離れて暮らす親のサポートに使える優秀な介護アイテムに早変わり! テクニカルライターで両親を遠距離介護した経験のある和田亜希子さんに、アイテム導入のポイントを伺いました。

食事をしている和田さんのお母様
万が一のために、カメラを使えば遠隔介護も可能です
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家電をコントロールして親も子も負担を減らす!

「たとえば、『エアコンをつけて!』と言って親の行動を促すのは簡単ではありません。でも、心配なのは親の体調。だったら、親ではなく、家電をコントロールすればいいんです」

そう語るのは、テクニカルライターの和田亜希子さん。段階的にIT機器を実家に導入し、独居の母親の遠距離介護の困り事を解消していきました。

「マンパワーだけで見守るには限界があります。結果、子ども側がストレスをためて口うるさく言ってしまったり。IT機器の導入は親と子ども、互いの不安やストレスを解消し、穏やかなコミュニケーションに役立ちます」

ほとんどのアイテムがWi-Fi環境があれば設置可能で、大がかりな工事も不要。思っている以上に手軽です。

「なにかあったとき、『自分がちゃんと見守っていれば』と後悔するリスクを減らせるのもメリットです」

“実家IT化” 5つのポイント

和田さんはどのよう実家IT化を実現させていったのでしょうか。

●1:防犯目的でプレゼント

「孤独死するかもよ!?」など、ネガティブなアプローチは×。「まずは、『最近、物騒だから』など防犯目的でプレゼントするのがおすすめです」

●2:受け身で使えるように

初期設定やカレンダーの入力などは、子どもが行い、親は音声操作だけですぐに使える状態にします。「簡単で便利なことを実感してもらいましょう」

●3:メーカーは2~3社に

「機器の管理はアプリで行うので、メーカーがバラバラだと大変」と和田さん。複数の製品を導入する際は、メーカーは3社程度に抑えるのがベター。

●4:押しつけず、ゆっくりと

養生テープにメモして机に貼る様子

慣れるには時間がかかるもの。「音声操作は5フレーズくらいを養生テープにメモして机にはりました。毎日、言ううちになじんだようです」

●5:ローテクの連絡手段も確保

IT機器は便利だけれど、完璧ではないので頼りすぎないのも大切。「ご近所さんや福祉事業所など、別の安否確認手段も確保しておくと安心です」