4:未来に対する好奇心を持ち続ける
すべての画像を見る(全2枚)「今さら新しいことなんて」と思ってしまいがちな年齢になっても、私は常に新しいことに対してオープンでいたいと思っています。旅行先で見知らぬ風景を楽しんだり、新しい本を手に取ったり、インターネットで調べ物をしたり。こうした小さな冒険心や好奇心は、年齢に関係なく私たちの心を活性化させてくれるのです。
心の健康を保つためには、「未知」に対する怖れよりも、好奇心を大切にすることがカギなのかもしれません。美術鑑賞なんて、まったく無縁だと思っていたのに、「楽しい」と感じる自分に驚いています。60歳でも「新しい好き」と出合えるんですから、好奇心は失ってはもったいないと思っています。
5:自分を許す
私たちは、知らず知らずのうちに自分自身に対して厳しくなりすぎるところがあります。たとえば、過去の失敗を繰り返し思い出し、「あのときもっとこうしていれば」と後悔の念に駆られること。失敗したことに対して、長い間自分を責め続けてしまう。そんなこと、だれしも経験があるのではないでしょうか。
でも、ここで気づくべきは「許せない自分」が、じつはいちばん苦しんでいるということです。自分を責め続けることで、過去の失敗が今現在の自分に重くのしかかり、前に進む力を奪ってしまいます。そんなときには、すんでしまった過去を「しゃーないな」という言葉でリセットしましょう。
人生の後半は、過去に蓄えた体験と知恵をもとに、無理せず、焦らず、自分らしく、心豊かに過ごすことができる時間です。とくにせっかちな私には、焦らずという言葉がピッタリ。そんなふうに生きることが、なによりも心の健康を保つための秘訣なのかもしれません。
中道あんさんの新刊『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社刊)は、発売中。