10月14日から始まる主演ドラマ『モンスター』で、破天荒弁護士・亮子役に抜擢された趣里さん。本作は、ハラスメントやルッキズム、生殖医療など、法整備が追いついていない問題も扱っています。今回は趣里さんに、作品をとおして伝えたいことやドラマの見どころ、演じるときの信念を伺いました。
「ゲームに勝つ」という信念をもって亮子を演じます
「私が演じる神波亮子(かんなみ りょうこ)は少し変わったキャラクターの弁護士。楽しみでもあり、身が引き締まる思いでもあり、心して演じさせていただきます」
こう語るのは、ドラマ『モンスター』で主演を務める趣里さん。亮子は常識にとらわれず、感情を排除して相手と向き合う型破りなモンスター弁護士で、これまでのリーガルドラマとはまったく毛色の違うヒロインです。
また、亮子は変わった生い立ちのもち主。幼い頃に母を亡くし、弁護士の父親(古田新太)の影響で法律に興味をもちます。ずば抜けた才能と裁判傍聴による膨大な知識で、高校3年生で司法試験に一発合格しますが、父が突然失踪。ひとり家に引きこもり、ゲームに没頭する日々を過ごしてきました。そんな彼女がひょんなことから弁護士として働くことを決め、とある法律事務所へ。
ゲーム好きの亮子は裁判にもゲーム感覚で臨み、一見すると不可解な行動をとるなど、勝つためなら手段を選びません。相手が目を背けたくなる真実も躊躇(ちゅうちょ)することなく突きつけていきます。
「台本には亮子がなにを考えているのか、どういう態度なのか、どういう表情でいるのかなどなにも書かれていないので、セリフからも亮子の感情が読みとれなくて…。だから、最初はどうしようか不安でした。でも逆に考えると、亮子は物語を動かす主人公だけれど、亮子も周りに動かされていく存在でもあることに気づき、フラットに演じていいのかなと。その方が周りの情報も入ってくると思いました。
亮子は淡々としているけど感情はあるし、人の心もわかる。ただ、事件も自分のことも俯瞰(ふかん)している感じ。だからゲーム感覚で裁判も進められるんだと思います。『ゲームに勝つ』という信念さえもっていれば、あとはその場の空気を感じて、亮子というキャラクターは成立するのではないかと思っています」