腸の「やせ菌」と「善玉菌」を増やすと、アンチエイジング、免疫力アップ、美肌効果、便秘解消、幸せホルモンの増加など、いいことずくめ。ここでは、やせ菌と善玉菌を増やすのに効果的な食べ物リストを医師の石原新菜先生に教えてもらいました。さらに管理栄養士でもある料理研究家の新谷友里江さん考案の腸活レシピもご紹介します。
善玉菌&やせ菌を「増やす」10種類の食材
私たちの腸内には、さまざまな細菌群が存在。
「善玉菌」は、腸の働きを活性化させ、体にうれしい影響を及ぼします。一方、「悪玉菌」は腸内を腐敗させ、体に悪影響を及ぼす困った細菌群。「日和見菌(ひよりみきん)」は、その名の通り腸内の優勢な菌に合わせて自分の性質を変える細菌で、「デブ菌」「やせ菌」と呼ばれるものがあります。
デブ菌は悪玉菌に、やせ菌は善玉菌に同調しやすい傾向があり、いかに腸内で善玉菌の割合を増やして、日和見菌を善玉菌側に傾けるかが腸内環境のカギです。
ここでは、善玉菌とやせ菌を増やすのに効果的な食材を10種類ピックアップ! ひとつに偏らず、さまざまな食材をバランスよく、毎日少しずつ取り入れましょう。
●1:キャベツ
水溶性・不溶性の食物繊維が豊富。荒れた胃粘膜を修復する作用のあるビタミンUも含みます。
●2:ゴボウ
水溶性・不溶性の食物繊維の含有量は野菜の中でもトップクラス。水溶性食物繊維のイヌリンには血糖値を下げる働きも。
●3:シイタケ
豊富な不溶性食物繊維が、腸内を大掃除してくれる。免疫力を高めたり、小腸の働きを助けてくれる効果もあります。
●4:タマネギ
水溶性食物繊維のほか、善玉菌を増やすオリゴ糖が豊富。抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれます。
●5:アボカド
食物繊維が不溶性・水溶性ともに豊富で、便秘の改善に効果的。アンチエイジング効果のあるビタミンEもたっぷり。
●6:海藻
ワカメなどの海藻には不溶性食物繊維が、モズクなどのヌメリ成分には水溶性食物繊維が多く含まれます。
●7:納豆
納豆菌は熱や胃酸に強く、生きて腸に届き、善玉菌を増やして腸内環境のバランスを整える働きがあります。
●8:酢
発酵過程でできる酢酸は脂肪の燃焼や便秘の改善に役立ちます。アミノ酸は内臓脂肪を減らし、体力回復にも効果的。
●9:みそ
善玉菌の代表格である乳酸菌をはじめ、麹菌、酵母菌の3つの善玉菌を一度に摂取できる優秀食材。
●10:甘酒
酵素とビタミンの宝庫。不溶性食物繊維やオリゴ糖が善玉菌のエサとなって数を増やしてくれます。
善玉菌&やせ菌の強い味方1「食物繊維」
善玉菌を増やすのに役立つ食物繊維には、不溶性と水溶性の2種類があります。不溶性食物繊維は水に溶けず、腸に残った食べカスをからめ取って便のかさを増やし、腸内の大掃除をします。水に溶ける水溶性は、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、その数を増やします。不溶性2:水溶性1の割合でとるのが理想的です。
●腸内の掃除をする:不溶性食物繊維
シイタケなどのキノコ類、豆類、イモ類、海藻類などに豊富に含まれています。
<食材例>
ヒヨコ豆 11.1g、ミックスビーンズ 10.1g、大豆 6.4g、キクラゲ 5.2g、エノキダケ 3.5g、エリンギ 3.2g、マイタケ 3.2g、シメジ 2.5g、マッシュルーム 1.8g、切り干し大根 3.2g、豆苗 3.1g、アーモンド 9.3g、ゴマ 9.2g、
●善玉菌のエサになる:水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、その数を増やします。野菜や果物、海藻のほか、オクラなどのネバネバ系食材にも豊富に含まれます。
<食材例>
オクラ 1.4g、モロヘイヤ 1.3g、サツマイモ 0.9g、サトイモ 0.8g、ホウレンソウ 0.7g、ブロッコリー 0.7g、カリフラワー 0.4g、セロリ 0.3g、リンゴ 0.5g、イチゴ 0.5g、もち麦(蒸し) 3.3g
※ いずれも可食部100gあたりのg数。切り干し大根、豆類、キクラゲはゆでたものの場合。「もち麦(蒸し)」:マルヤナギ小倉屋調べ「その他」:『七訂 食品成分表2020』(女子栄養大学出版部)より