目は脳の一部。「脳腸相関」のために、腸を健康にしよう

脳腸相関
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目と腸は別々の臓器ですが、腸内環境が人体のいろいろな臓器に影響を及ぼすことがわかってきています。「脳腸相関」と言い、脳の状態が腸に影響を与えたり、逆に腸の状態が脳に影響を与えたりするというものです。さまざまな原因で腸の状態が悪いと神経や血液を介して脳に有害な影響を及ぼします。

脳と目の網膜の部分は発生学的に同一組織からできています。すなわち目は脳の一部なのです。

最近、腸内環境と脳との関連が話題になっています。脳に影響があるということは当然目にも影響があるのではないかと考えられ、さまざまな研究がなされています。腸は胃で消化された食べ物を分解、吸収する臓器だと思っている人が多いと思いますが、じつは腸内にいる約100兆個の細菌が免疫機能のバランスを取っているのです。

ところが食生活の乱れやストレスによって腸内環境が悪くなると、腸の粘膜がダメージを受けて、小さな穴が開く「リーキーガット」が起こってしまいます。腸の中で分解するはずの有害物質がその穴を通じて血管内に入ってしまい、血管を通じて体内で炎症を起こしまうのです。有害物質が広がって全身に回ると目にも影響があります。ぶどう膜炎やドライアイだけでなく、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症、緑内障にも関係があるという報告もされています。

毎日の食事に食物繊維をプラスしよう

腸内環境を整えるためには、よい働きをする善玉菌を増やす必要があります。乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などがありますが、なかでも酪酸菌は腸内の主要なエネルギー源である酪酸を生成します。これが免疫系にも作用して制御性T細胞という免疫を調節する細胞を増やして、免疫の過剰反応、すなわちアレルギー反応が起こらないようにする働きがあります。

酪酸菌のような善玉菌は、食物繊維の多い食事をとったり、運動することによって体内で増えていきます。逆に高脂肪食や飲酒、ストレスで減ってしまうとされます。

毎日の食事に食物繊維をプラスするだけでも、腸内環境によい影響があります。食物繊維は人の消化酵素で分解されないのですが、腸内細菌の栄養となります。発酵分解されることで乳酸、酢酸、酪酸が生成され、腸内環境が良好に保たれるのです。

すると「リーキーガット」のような炎症を起こす状態も改善され、脳や目にも良い体内環境が保たれるのです。

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