ものであふれた実家、一緒に片づけるならどこから?

80代母の散らかった部屋
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「今までなんとなく考えていた親の介護問題が、急に現実味を帯び始めました」。そう語るのは、現在50代で団地ひとり暮らしを楽しんでいるブロガー・きんのさんです。

年数回程度しか行かなかった実家によく訪問するようになったら、ものが多い環境を「このまま放置しておいて本当に大丈夫?」と以前にも増して心配になりました。高齢ですり足歩行、なにもない場所でもよろける親の様子から、いつどこで転倒してもおかしくない状態がよくわかってきたからです。

「自分でやるからほっといて」と片づけを拒む親と「危険だから片づけたい」娘。少しでもリスクを減らしたくて、口げんかしつつも一緒に片づける方向に舵を切りました。

親が困っている場所から片づける

一緒に片付けた玄関

自分のテリトリーを勝手に荒らされるのは嫌と思っている親でも、歳を取るにつれて生活に支障が出ている場所や暮らしにくさを感じるところがあるはず。

親の要望を聞き取り、安全に使いやすく片づけることで「片づけると暮らしやすい」と肯定的な気持ちを持ってもらえるようにスタートすることが肝心です。

私の場合、最初の片づけは玄関でした。狭い玄関スペースにあけにくい扉の靴棚があり、奥になにが入っているのかもわかりません。靴棚の周辺には杖や手袋、園芸用品、マスクなどがごちゃごちゃ置かれていて使いづらい様子でした。

外出時に必要なものをパッと取り出しやすいようにすべてを見える化し、よくはく靴だけを玄関に置くことですっきり片づきました。親の困りごとの解消ついでの片づけなら協力も得やすく、「使いやすくなった」と高評価で次の片づけに繋がりました。

片づけが無理なら、コミュニケーションだけでもよい

片づけに拒否反応が強くて、小掃除程度さえも無理なら「これいいね! ちょうだい」と譲り受けることを繰り返し、地道に不用品を減らしていくのも手かもしれません。私はこの方法で親から便利グッズや不要な家具類を手放してもらいました。

片づけを強いるのではなく、まずは親と良好な関係をつくること。親の性格や相性など、個々に違うのでいろんなやり方があるはずです。親の生活が快適になるように困りごとや不用品などを聞き出し、片づけにつながる行動に移すことで、抵抗少なく実家の片づけが進むきっかけになるのではないでしょうか。

※記事の初出は2023年4月。年齢も含め内容は執筆時の状況です

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80代母の家の片づけ。ものだらけの玄関、廊下に段ボール…最初に片づけた場所とは