たんぱく質は運動をする人だけでなく、すべての人にとって必須の栄養素です。健康的な体づくりにはたんぱく質が不可欠で、筋力アップのほかにダイエット効果の期待も。ここでは、立命館大学スポーツ健康科学部教授・藤田 聡先生にたんぱく質を”朝”にとった方がいい理由を教えてもらいました。また、忙しい朝にも簡単にできるレシピを『健康でいたいなら 朝のたんぱく質』(扶桑社刊)より、2つご紹介。

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朝食でしっかりとりたい「たんぱく質」
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朝食こそ、たんぱく質をしっかりとることが大切

「三大栄養素」のひとつであるたんぱく質。筋肉、内臓、血管、髪の毛、皮膚など、私たちの体の組織の多くはたんぱく質でできていて、その総重量は体重の30~40%に上ります。なかでも筋肉組織の80%はたんぱく質が占めています。

たんぱく質は非常に大切な栄養素ですが、食べ方に工夫が必要。朝食でしっかりとることが重要なのです。

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、筋肉、臓器、細胞、髪、皮膚などをつくる材料となりますが、夕食から朝食までは食事の間隔が長くなるので、たんぱく質が補給されないと、体は筋肉を分解して乗りきろうとするので、筋肉が減少してしまうのです。

●朝食にたんぱく質をとるといい3つの理由

<1:体内時計がリセットできる>

ヒトの臓器には「体内時計」というべき機能が備わっていて、24時間のサイクルでさまざまな機能を働かせています。この体内時計を整えるのは、朝の日光と朝食。朝食でたんぱく質と適度な量の炭水化物をとると、体内時計がリセットされます。

<2:効率よく筋肉を合成できる>

夕食から朝食まで絶食状態になった体内では、筋肉は分解モードになっています。ここに朝食でたんぱく質がしっかり補給されると、筋肉を合成するスイッチが入ります。夕食でとったたんぱく質より、効率的に筋肉の組成に使われることに。

<3:代謝がスムーズになってやせやすくなる>

たんぱく質は体内で熱をつくる栄養素。たんぱく質をとると、代謝を促進し、脂肪燃焼効果も高まります。朝食でたんぱく質をとり、新陳代謝を活発にしておけば、一日じゅう脂肪が燃えやすいモードになります。

1回の食事で肉や魚なら、ひとり100gが目安

1回の食事で肉や魚を100g食べるのが理想です。

肉も魚も、手のひらにちょうどのるくらいが100g。100gの肉や魚にはおよそ20gのたんぱく質が含まれます。たんぱく質は1回に20gをとらないと筋肉が合成されないので、この量を目標にとりましょう。

ちなみに朝食で定番の卵1個、牛乳や豆乳コップ1杯に含まれるたんぱく質は6~7g。トーストと卵料理で終わらせず、ハムやチーズをプラスすると理想的です。和食なら、納豆とみそ汁だけでなく、焼き魚もプラスしましょう。