40代50代になるとそろそろ現実問題となってくる、実家のお墓問題。墓や供養の方法が多様化していることから、悩む人が増えています。葬儀ライターの奥山晶子さんが、最近主流のお墓形式4つのメリットや注意点、主なかかる費用を紹介。どの供養法が「わが家のお墓」にふさわしいか、ぜひ考えてみてください。
すべての画像を見る(全6枚)さまざまな供養法の登場で、悩む人が急増中
ゴールデンウィークや夏休みに家族みんなでぜひ確認しておきたい、実家のお墓問題。
「高度経済成長期、田舎から都心部へ若い人材が流れたため、40代50代のESSE読者の親世代は実家から遠く離れ、自分が入るお墓がないケースも。一方、少子化でお墓の継承者がいないことに悩む人も増えています」と、奥山さん。人々の需要の変化に応じて、墓や供養の方法が多様化していることも、多くの人が悩む原因です。
「継承者がいない場合に備えて、霊園の管理者が供養や管理をしてくれる永代供養の墓の需要も高まっています。ただし、同じ永代供養でも、納骨堂や樹木葬、有期の個別墓がつくタイプなど、形式はさまざまなものがあります。家族にとって納得のいく供養の方法を、時間のあるうちにじっくり話し合って検討すれば、後悔がありません」
近年の新しい供養法「散骨」
海などに粉末化した遺骨をまく供養方法。委託散骨で遺骨を業者に送るケースと、立ち会い散骨がある。すべてまかず、一部を残してペンダントなどにする人も多い。
主な費用は、合同5万円~、単独…約30万円。
メリット…費用が安い。管理の手間がなくなる
注意点…手元に遺骨をまったく残さないと、トラブルも
お墓の管理が難しい方へ「永代供養」
埋葬された人の家族ではなく、 霊園の管理者が供養や管理を行う。5~10年などの期限つきで個別の墓があり、その後共同の供養塔などに遺骨を移すタイプもある。
主な費用は、合祀墓10~30万円、納骨堂20~150万円、樹木葬60~150万円(※金額は1体あたり)。
メリット…お墓参りやお墓掃除の手間がなくなる
注意点…最後には合祀されるため、個別に骨が取り出せなくなる