対処法は「1に腹式呼吸、2に漢方薬」
すべての画像を見る(全4枚)自律神経には、体の活動性を高める交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、動悸や息切れは交感神経が優位な状態で生じています。このようなとき、副交感神経の働きを高めることのできる簡単な方法が「腹式呼吸」。
鼻から息を吸っておなかを膨らませ、口から息を吐いておなかを凹まし、吸う息より吐く息を丁寧に行うのがコツ。自然に気持ちが落ち着き、症状も治まってきます。天野先生によると腹式呼吸はめまいや耳鳴りにも効果的だそうです。
また、更年期女性の動悸・息切れには漢方薬がよく効くといいます。まず「不安やイライラなどの精神症状を伴う人には加味逍遙散。気分がふさぎがちで喉や胸がつかえる人には半夏厚朴湯」のどちらかを使い、効かない場合は上記のような選択肢を試します。
漢方薬は体全体のバランスを整える作用があり、ほかの不調も同時に和らげる効果が期待できます。日頃から症状が気になる人は、市販の漢方薬を試してみるのもよいでしょう。
動悸を訴える更年期女性は不眠、めまい、耳鳴り、不安感などの症状を併せ持つことが多く、その背景に夜更かし、運動不足、偏食、過剰なダイエットなど生活習慣の乱れや、仕事や介護の負担などが存在しています。
避けられないストレスも多い年代ですが、まず食事と睡眠の改善からとりかかりましょう。「夜12時前の就寝、栄養バランスのよい3食」を意識して体の調子を整えることが、運動の意欲にもつながり、心身のストレス軽減の基本にもなります。