ESSEonlineで2024年3月に公開された記事のなかから、ランキングTOP10入りした記事のひとつを紹介します。
50代、60代にありがちな「ファッション迷子」から抜け出す近道をご紹介。見た目や体型の変化をどう乗り越える? ファッション指南をするパーソナルスタイリストとして活躍する上林恵子さんが解説します。ポイントは、役割ではなく「自分が好き」を優先して服を選ぶこと。
※記事の初出は2024年3月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。
すべての画像を見る(全6枚)50代60代は役割ではなく、自分が“好きだと思える服”を選ぶ
年齢や体型の変化により、「なにを着てもいまいち似合わない」「よいと思って買っても、着こなしの正解がわからず箪笥の肥やしを増やすだけ」「結局いつもと変わり映えのしないコーディネートしか組めない」など、着る洋服に悩むことも多い50代60代の女性。
「『自分に似合う服がわからない』というお悩みに対し、意識するべきは“似合うかどうか”よりも“自分の好みかどうか”という点だと思います。まずは“自分を満足させられる服”を選ぶことから始めてみてはいかがでしょうか」(上林恵子さん・以下同)
自分が好きな服を選ぶことで手持ちアイテムのテイストが統一され、コーディネートを組みやすくなると言います。
役割で服を選ぶのではなく、自分の“好き”に目を向けること
「今の50代60代の女性の多くは、“役割”で服装を求められる風潮の中で生きてきたと思います。たとえば、OLらしい、主婦らしい、お母さんらしい学校行事に合わせた服など、役割に合う服を選ぶことを優先してしまう人が多いと思います。
何十年と自分の好きなものを取り入れてこなかったため、子育てがひと段落し、家庭や仕事での役割の負担が減ってきても、なかなかすぐには“自分の好きなファッション”を思い描けないこともあります」
上林さん自身も、何事にもとらわれず、自分の好きなファッションを楽しめるようになるまでには何度も失敗したと言います。そのたびに、自分自身への理解を深めるための分析を重ねていったのだそう。今の、パーソナルスタイリストとしての活動にはご自身の体験や経験も活かされています。
自分について理解していくと、魅力的になっていく
「私がすてきだなと思うのは、自分についてよく理解し、自分に似合うスタイルを楽しんでいる人です。流行りや他人の意見だけに左右されず、自分らしいスタイルを構築している人に魅力を感じます。
私のレッスンでも、自分と向き合うという時間を設けています。好きなファッションを具体化させるためには、自分自身をよく知ることが大事なんです。たとえばチェック柄が好きなのかドット柄が好きなのかを考えるだけでも変わります」
自分の好みを把握するためには、無意識の部分に意識を向けることが大切なんだとか。
「同じ服を目の前にしても、重視する部分は人それぞれ違います。手触り、素材の質感、全体的なバランス、はたまたその服を着用しているモデルさんが好きな場合もあります。好きなものを感覚ではなく可視化して言語化することで自己理解が深まっていきますよ」