スーパーで手に入る食材で、ごちそうおやつがつくれたらうれしいですよね。ここでは、「リンゴのクレープ」のレシピをご紹介します。
教えてくれたのは、近著『Mariko食堂 ごちゃまぜパリ風レシピ』(扶桑社ムック)でフランスの家庭料理を紹介している、パリ在住の料理家・上野万梨子さんです。
焦がしバターの風味が決め手の「リンゴのクレープ」
フライパンにひいたバターがジュジュジュッと一瞬で焦げ始めたところにジュ~ッと生地を一気に流して焼くクレープ。うまく焼けるかどうかはこの音でわかります。
火力が低すぎてはバターミルククレープならではのシワがよらずおいしい焼き色もつきません。砂糖をふってレモン汁を絞っただけでもおいしいクレープの秘訣はここに。
●リンゴのクレープ
まずは、リンゴのソテーとソースをつくります。
<リンゴのソテー>
酸味と甘みのバランスがよい紅玉リンゴ1/2個の皮をむき、厚切りにする。フライパンに熱したバター大さじ1でじっくり片面を焼き、返したらバターを少々加え、砂糖小さじ1を全体にふりかけてさらに焼き込む。
<ソース・アングレーズ>
ボウルに卵黄2個を入れて泡立て器でほぐし、グラニュー糖30gを加え、白っぽくなるまで混ぜる。厚手の小鍋に牛乳120mLとバニラビーンズペースト少々を入れて沸かし、卵のボウルに加えて泡立て器でかき混ぜ、鍋に戻す。
弱中火にかけ、木べらで鍋底に8の字を描くように混ぜ、卵黄に火が入ってとろみがつくまで火にかける。余熱が入りすぎないようにボウルに移して冷まし、ラム酒小さじ2を加える。
【材料16枚分(直径18cmのフライパン)】
- 全卵 大1個
- 卵黄 2個
- 塩 ふたつまみ
- 牛乳 280mL
- グラニュー糖 20g
- 小麦粉 120g
- バター 50g
- バター(クレープを焼くとき) 適量
【つくり方】
(1) ボウルに全卵と卵黄、塩を入れ、泡立て器でよくほぐす。牛乳、グラニュー糖を加えて混ぜる。
(2) 小麦粉をふるいながら加えて混ぜ、ラップをかけて冷蔵庫で半日以上寝かせる(寝かせ方が足りないと焼くときに生地が薄くのびず、厚みが出てしまう。焼く前日に仕込んでおければなおよい)。
(3) 冷蔵庫から出したらしばらく室温において生地の温度を上げる(冷たい生地に溶かしバターを加えると固まってしまうため)。バターはレンジで溶かし(沸騰しないように)、生地に加えて混ぜる。
(4) クレープを焼く準備
・フォークの先に折りたたんだペーパータオルを巻き、タコ糸で縛る。
・クレープを焼くためのバターをレンジにかけて溶かす。
・フライパンを数分間弱火にかけて鍋底全体を均一に熱しておく。
(5) 火加減を弱中火に上げる。溶かしバターにフォークの先を沈めて含ませ、フライパンの底にバターをひく。バターが瞬時に熱で泡立って軽く焦げ始めたところにレードルに取ったクレープ生地を一度に流す。ゆっくりとフライパンを回し、薄く平均にのばす。周囲の生地がフライパンの縁から少し離れ始めたら裏返してサッと焼き上げる。リンゴのソテーとソース・アングレーズとともに盛りつける。仕上げに粉糖をかけて。
<マリコメモ>
フライパンの温度と、そこにひくバターの量と焦がし加減がポイントの一つ。フライパンの温度が十分でないと焦がしバターの風味が生かされた仕上がりになりません。ここではリンゴを焼いていますが、コンフィチュールやコンポートを使うのもよいでしょう。
『Mariko食堂 ごちゃまぜパリ風レシピ』(扶桑社ムック)では、上野さんが日々の暮らしからつくり出したフレンチ、エスニック、和風…の「ごちゃまぜパリ風レシピ」を多数ご紹介しています。フランス家庭料理を伝えて50年の著者だからこそ見えてくる、Marikoレシピの醍醐味をたっぷり味わえ、楽しめる一冊です。