ニュースでもたびたび報道され、社会問題ともなっている“ゴミ屋敷”。自分の家族には関係がないと思っていても、ふとした“心の不調”がきっかけで実家や自宅が「ゴミ屋敷」になることも。そこで、メンタルと片づけの関係について精神科医の益田先生にお話を伺いました。
すべての画像を見る(全2枚)「ゴミ屋敷化」は精神疾患の可能性も…
「ゴミ屋敷」になってしまうのは、片づけられない、だらしないことが原因だと思うかもしれませんが、背景にはなにかしらの“精神疾患”が隠れている場合があるそうです。
<考えられる原因>
・認知症
・発達障害(ADHDやASDなど)
・強迫性障害
・うつ病、双極性障害、
・統合失調症 …など
<解決するにはプロに頼ることが大切!>
精神疾患の場合、本人の努力やがんばりでなんとかできるものではないことが多いそう。だからこそ、きちんとプロと対処していくことが大切。無理はせずに精神科の治療や、行政・福祉サービスなど、専門家に頼ることが重要です。
「メンタル」と「片づけ」は関係している
たとえば、“セルフネグレクト”と呼ばれるうつ状態では、気力や集中力、思考が停止し、余裕もないので片づけられないそうです。これはだれにでも起きる可能性があるので要注意。
そこで、「セルフケア」をすることが大切。「心は脳」なので、セルフモニタリングをすることが重要です。体重や睡眠の状態で間接的に“疲れ”を把握し、それに合わせてしっかりと休み、「マインドフルネス」な状態を目指しましょう。
●「マインドフルネス」とは?
心を“今”に向けた状態のこと。休むためにも、1日のなかで数分、座禅を組んで呼吸に集中する時間をつくりましょう。
●ゴミ屋敷の住人が、「ゴミ」だと認識しない理由
では、ゴミ屋敷の住人が、ゴミを「ゴミじゃない」と思うのはなぜでしょうか?
理由は疾患によりその要因は異なりますが、たとえば、認知症の人が「ゴミではない」というときは、認知する力が衰えて事実を誤認しているケースが多いです。
実家が「ゴミ屋敷」になったらどうすればいい?
上記のような状況に陥った家族とのつき合いには、攻め(=相手を責める)よりも「守る」ことを優先するのが大切です。
これを言えば大丈夫という「金言」はありません。相手の話をしっかり聞き、それに合わせて作戦を練る。自分が疲れないことを重視しましょう。