ニュースでもたびたび報道され、社会問題ともなっている「ゴミ屋敷」。今回は、ESSEonlineで大反響だった『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』の著者・西園フミコさんの経験をもとに、その実態を紹介します。
疎遠になっていた父方の祖父母の家が「ゴミ屋敷」に!
すべての画像を見る(全7枚)今後の介護相談をすべく、久しぶりに90代の父方の祖父母の家を母と2人で訪ねた西園さん。そこで初めて、「ゴミ屋敷化」の現状を目の当たりにしたそうです。
「2階建てで、玄関先から見える1階部分は1人分の移動スペースがぎりぎりあるくらい。だから、おもな生活スペースである2階に踏み入れるまでは、『汚れてる家』という認識でした。でも実際に上がると、想像を超えた“魔境”が広がっていました…」(西園さん、以下同)
当時の様子をそう西園さんは語ります。また、とくに汚れがひどかったのはユニットバス。
「トイレの便器横で”ぬか床”を発見したことがとにかく衝撃。そこに保存容器があるのはもちろん、開封するのもイヤでしたね…」
炎天下で行われた2日間の片づけから学んだこと
「ゴミ屋敷」の片づけは、そのゴミの量の多さから2日間にわたって行われました。敷地内は、一面に生ゴミ臭が広がり、いくら捨ててもものが減らない状況についにストレスも限界を突破!
「でも、家主の祖父はなぜか捨てたゴミを無言で戻していました(苦笑)。片づけの承諾は得ましたが、やっぱりイヤだったんでしょうね。でも、清掃業者の方が上手に対応してくれて、なんとか事なきを得ました」
その後順調に作業は進み、2日かけて人が住める状態にまで回復!
「自分の力だけでやってたら、精神的にもやられていたと思います。困ってるときに世間体を気にしすぎても仕方がないし、正直に話してプロの助けを借りることが大切だと学びました」
このゴミ屋敷の片づけの経験から西園酸が学んだことは2つ。まずは、「プロに頼る」ということ。ゴミ屋敷の片づけは第三者の介入が必須です。無理はせずに、プロにお願いするのが解決への近道ともなります。また、2つ目は「悩みすぎない」こと。1人で抱え込まずに、助けてもらうことで気持ちの面にも余裕ができます。