野菜レシピ開発のきっかけは、京都のカフェに

カフェ写真
イソカカさんが京都で経営していたヴィーガンカフェ
すべての画像を見る(全8枚)

福田:イソカカさんの野菜レシピ、いつもとても助かっています! ただご自身は、日頃からヴィーガン料理ばかり食べているわけではないんですよね?

イソカカ:そうなんです。私も家族もヴィーガンではないし、1食を全部ヴィーガン料理にして過ごすことはめったにないんですよね。

 

――イソカカさんがプラントベースのレシピを開発するようになったきっかけはなんだったんですか?

イソカカ:私はもともと京都でカフェをやっていたんですが、外国人のお客様がよくいらしてたんですね。あるとき、お客さんとして店にきた外国人の大学生くらいの女の子が、「私はヴィーガンなんだけど、日本では自分が食べられるものがほとんどない。日本に来てから、コンビニで買った白いおにぎりしか食べていない」と呟いていたんです。それを聞いたとき、「これは黙っておけないな」って思ってしまって。

福田:旅行先でおいしいものが食べられないのは、つらいですもんね。

イソカカ:せっかく日本に来たのに、「ごはんが食べられなかった」という思い出が残るのは残念。いろんな人からすてきだなと思ってもらえる京都であってほしいなと思って、プラントベースの食材だけを使った定食をつくったんです。

 

――反応はどうでしたか?

イソカカ すごく喜んでくれましたね。しかも、その後はその子が書いたネットの口コミを通じて、ヴィーガン料理を食べにくる外国の方が増えていって、気がついたら店のメニューの半分くらいがヴィーガンメニューになっていました。以来、野菜メニューをたくさん開発するようになったんです。

徹底せず、ほどほどに「ヴィーガン料理」とつき合うこと

――福田さんご自身はプラントベースの「ヴィーガン」の食事は、以前から取り入れていたのでしょうか?

福田:じつは一時期、私の夫の中田敦彦が「今後はヴィーガン料理を食べて生きる!」と宣言したことがあったんです。ただ、ヴィーガン宣言はしたものの、結局、料理をするのは私なので(笑)。当時、ヴィーガン料理については全然知らなかったんですけど、スーパーなどに行ってみて初めて「大豆ベースのお肉とか、いろんなものがあるんだな」と知りました。

イソカカ:そのときは、どんなものをつくったんですか?

大豆ミート
大豆ミートでつくるから揚げはまるでお肉!

福田:大豆のお肉を使ったマーボー豆腐とかですね。

イソカカ:おいしそうですね!

福田:おいしかったですね。実際に食べてみて、「食」や「料理」に対する固定概念が変わったような気もします。以前は、料理といえば、お肉やお魚に野菜があって、さらにおみそ汁やスープがあって…と思い込んでいたんですが、「全部野菜でも成り立つんだな!」って思いました。

イソカカ これだけ食の多様性のある時代だからこそ、「この食事が絶対正解」ということはないですよね。私自身、大学時代に環境の勉強をしていたので、「肉を食べるよりはお豆腐の方が環境にいい」とか「牛乳よりもオーツミルクや豆乳の方が地球にやさしい」などと漠然と考えることも多くて。いろんなものを食べる中で、たまにプラントベースの日があってもいい。ほどほどの塩梅で、ヴィーガンを日常生活の中に取り入れるようにしています。