気持ちもペースも主役は自分

留学生
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60代以上の留学生は、語学が好きな人、旅行が好きな人が多い印象ですが、共通して感じるのは「生き方に迷いがないこと」。学生時代に一度触れたスペイン語、60歳から始めたスペイン語、ご主人が急逝されなにかがんばれるものを一つと思って始めたスペイン語…。いろいろな背景でスタートしたものを、ゆっくりと楽しみながら、疑うこともなく進んでいる姿ばかりです。

勉強=「辛い・大変」というイメージはゼロ。のよう。私がつい口癖になってしまう「なかなかできない。覚えられない」なんてことは、だれからも聞きません。そして年齢のことすら話題にせず卑下することもゼロ。Wi-Fiの繋ぎ方やネット配信の見方などは、自然に若手学生がフォローし、まるで大家族のようなクラスになったこともありました。

私の両親と同年代である80代の学生は、通学前後の散歩コースを毎日変え、土日には近隣の観光名所へ出かけ、週明けには皆に写真を見せてくれ…学べる楽しさとこの環境にいられるうれしさを全身で伝えてきました。私はこの仲間たちから、「豊かな人生とはなにか」を度々教わりました。結果、今まで当たり前と思っていた考え方にとどまらず、物事をもっと幅広く考えようと意識するようになりました。

生き方を見直せるのが大人留学

大人の海外留学

海外へ住むということは、現地の国の人たちと接触することばかりを想像していましたが、実際に留学生の周囲は他国の人が多く、こんなにも各国の考えや習慣に触れるとは思いませんでした。スペインへの留学生は、北欧各国、フランス、ドイツ、イタリアが多いですが、中東、オーストラリア、米国、アジア諸国…まさしく世界中の人たちと出会います。

日本にいる時は外国の人たちを見るとあえて少し距離を置いてしまうタイプだった私が、数えきれないほどの国の人たちと接し、「その国に行ったら連絡するね!」と約束できる仲間ができました。英語もできないのにスペイン語留学に来てしまい、彼らとの会話はまだつたないスペイン語のみですが、それでも同窓の絆は四方に伸び、いまだに広がっていることをうれしく思います。50代半ば。人生のちょうど折り返し地点とも言えるタイミングの語学留学は、今までの人生と重ねるだけでなくこれからの人生の歩み方を見直す出会いにあふれています。

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