「預貯金を全額、慰謝料として支払え!」と迫られて…
すべての画像を見る(全4枚)じつは18歳のときに出来ちゃった婚をしていたという彼には、紀子さんと同い年の妻と2歳になる子どもがいました。日中は、近くの工場で作業員として働き、夜は居酒屋でアルバイト。
ある日、体調が悪くてアルバイトを休んで家に帰ったとき、子どもがシッターさんと二人で留守番していたことで、妻の浮気が発覚。人生に絶望しかかっていたときに、仕事で悩む紀子さんに出会い、好きになったという話を聞かされました。
「私に結婚していることを打ち明けられず、ずっと苦しんでいたと涙する彼を見ていたら責める気にはなれませんでした。もうこの辺が私の若気の至りというか、彼が平気で嘘をつく“浮気する人間”という事実にフタをしてしまったんです。『嫁が慰謝料をよこせ、じゃないと離婚しない。愛人に会わせろと騒いでいる』と言われるまま、離婚してもらうために話し合いをしに行ったんです。もう絵に描いたような修羅場でしたよ」と紀子さん。
そのとき、2歳の子どもは正妻の実家に預けられていて、大人3人だけの話し合いだったそうですが、正妻と紀子さんはつかみ合いになるほどの勢い。激しいののしり合いに発展しました。
「当時でいう“鬼ギャル”という言葉がぴったりな感じの女性でした。自分もよそに彼氏がいて、すでに再婚の約束をしてる状況で、私ばかり責め立ててくるのでつい頭にきてしまいました。子どもの親権は嫁側が強く主張。そのうえ『もし自分が不慮の事故で死んだとしても、アンタには子どもを抱っこさせない』とか言われて、『人の子なんてかわいくないし、それで結構です』って言い返したら、いきなり叩いてきて。彼が仲裁に入るみたいな変な構図のケンカでした」
正妻から告げられた慰謝料の金額と呪いの言葉
正妻は、自分の浮気は棚に上げて、愛人という立場になってしまった紀子さんに対し「預貯金を全額、慰謝料として支払え」と強い口調で迫ってきました。
紀子さんはもうしんどいからさっさと終わらせたいという一心だったといいます。慰謝料150万を支払うことで示談に。当時24歳だった紀子さんにとっては、大変な金額です。自身の結婚のためにコツコツと貯めたお金を、一気に失うことになってしまいました。
このときに、「どうせアナタもレスになって、浮気されるわ。私と同じ目にあう日が来る。覚えておきなさいよ」という、正妻から言われた呪いのような言葉が忘れられないそう。
「まぁあれだけうちに来ていたんだから、レスになるよね…と思いつつ、彼からそういう事情はまったく聞かされていなかったので、奥さん側の言い分を初めて聞いてドキっとしました」
そして、その呪いは数年後に現実となり、紀子さん自身も苦しむ羽目になるのですが、そのお話はまた次回。