●「ダメダメな自分」を肯定できる場所をつくりたい
――完璧を目指しすぎる、というのは、今を生きる人たちが、大なり小なり抱えている問題点かもしれません。自我野さんの作品に救われる読者も多いと思いますが、読んでくれる方に伝えたいことはありますか?
自我野:この本には、私のダサい部分がたくさん描いてあるんですけれども(笑)、みんななにかしら弱味は抱えて生きてますよね。人前では弱さを隠して気丈に振る舞っている人が大半なだけで。思春期の頃からよく「のびのび気弱なままで生きたいだけなのに」と思ってました。でも、そうもいかないのでどうしたものかと…。
だから、まずは私がめちゃめちゃ弱音を吐きまくって「なんとなくわかるかも」と、徐々に存在に慣れてもらい、弱さを受け入れる風潮がなんとなくできて、いずれはみんなが弱音を吐きまくれるようになればいいのに…という勝手な思いを込めてマンガを描いていました。
私は、日常生活や人付き合いで困りごとがあると「自分が悪いんだ!」と思い悩み、ぐるぐると負のスパイラルに入り込んでいた時期が長くて、マンガを描くのはその感情を整理する作業でもありました。マンガの中の私を見て、「自分だけじゃない」と困りごとを共有できる場や雰囲気を提供できたら嬉しいです。
『崖っぷちの自我』を試し読み!
ここでは、ブラック企業を退職した自我野さんが、地元でバイトしていた頃のエピソードを試し読み。
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