「新NISA」で改正した4つのこと

新旧の違い
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福島さんによると、おもな改正点は4つ。では、具体的にどのように改正されるのか、詳しく教えてもらいました。

<おもな改正点4つ>

  • 【1】これまでの「つみたてNISA」と「一般NISA」が一本化される
    【2】投資限度額が合計で最大1800万円に拡充される
    【3】非課税保有期間が無期限化される
    【4】一度使った非課税枠が復活する

●1:これまでの「つみたてNISA」と「一般NISA」が一本化される

変わったこと

「これまでは『つみたてNISA』と『一般NISA』がありましたが併用できず、どちらかを選ぶ必要がありました。新NISAでは『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の2つの枠が用意されていて、同時に使うことができるようになります。

つみたて投資枠で購入できる対象は積み立てに適した一定の投資信託で、成長投資枠で購入できる対象は上場株式や投資信託など。資産形成のための長期運用に適さないと思われるハイリスク商品が除外される予定です。

今後はコツコツ積み立てをしながら、好きなときに成長投資枠で別の商品を購入するといった具合に、同時に使うことができます」

●2:投資限度額が合計で最大1800万円に拡充される

変わったこと

「なんといっても最大のメリットは、NISAを利用して非課税で運用できる資産の金額が最大1800万円へと大きく広がったことです。これまでの運用できる限度額は『つみたてNISA』で最大800万円(年間40万円×20年)、または『一般NISA』で最大600万円(年間120万円×5年)。両者は併用できず、どちらか一方を選ぶ必要がありました。

ところが新NISAでは『つみたて投資枠』(年間最大120万円)と『成長投資枠』(年間最大240万円)を同時に使うことができるようになり、合わせて年間合計360万円、生涯で最大1800万円まで非課税となり、大幅に拡充されます」

●3:非課税保有期間が無期限化される

これまで、一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間と非課税期間が限定されていました。これが無期限となります。

「これまでは期限がきたら売却したり、通常の課税口座に移管するなどしなければならず、制度開始当初から不満の声が上がっていました。そもそも『老後に向けた資産形成を応援する』という制度の趣旨からすると、5年や20年という期限を設けること自体に無理があり、長期運用の妨げとなっていました。

今回の改正で制度自体が恒久化され、売却や煩わしい手続きが一切必要なくなります。非課税期間が無期限となったことによって、自分のペースでじっくり長期にわたって運用することができるようになったわけです」

●4:一度使った非課税枠が復活する

今回の改正でもっとも画期的なのが、「売却すれば一度使った非課税枠が復活する」という点ではないでしょうか。

「これまでの一般NISA口座では、非課税枠を使って商品を購入すると、たとえそれを売却したとしても、その枠はもう使えませんでした。たとえば年間限度額120万円のうち80万円で株を買ったとすると、残りの非課税枠は40万円。

その株を売却しても、一度使った80万円分の枠は使用ずみとなって再利用できなかったのです。ところが今回の改正で、売却によってあいた分の非課税枠が再利用できるようになります。

変わったこと

仮に総投資額が生涯投資枠の1800万円に達しても、一部を売却することでその分の枠が復活し、再びNISA口座で運用することが可能になります。住宅購入資金や子どもの教育資金などで一時的にお金を使う必要がある場合にも、利用しやすくなります」

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