夫婦の価値観がズレていったきっかけ

夫との行為を苦痛だと感じるようになってから数年経ったある日のこと。夫の会社から転勤の話が舞い込んできました。

●広島から東京への転勤。家族はどうする?

転勤
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「下の子が幼稚園へ入るくらいのタイミングだったと思います。急に転勤の話があって、『来月から東京へ行くことになりそうだ』と言われました。私はてっきり家族帯同を想定していたので、準備に3週間ちょっとしかないから、とにかく引っ越し先の学校とかを調べなきゃ! って慌てたのですが、夫の第一声は『俺はみんなのことまでかまっていられないよ。来るのはいいけど、仕事があるから、なにか困ったことが起きたときに俺をあてにされても困る』と。かなり突き放した感じで言われて、言葉を失いました」

話し合いというよりも、一方的に「帯同は無理」「なにかあっても面倒は見られない」と宣告されてしまったのです。夫も自分の仕事のことでいっぱいいっぱいだったのかもしれませんが、その冷たい言い方が、景子さんにとっては「この人、家族のことが嫌いなのかな?」と感じてしまいました。

●所詮、夫婦は他人。距離が開けば心も離れる

けんか

「私は子どもとは血のつながりがあるけれど、夫婦は他人なので、物理的な距離が広がれば心の距離も開いてしまうという考えでした。だから、家族一緒に東京へ引っ越すものだと思っていたので、夫からの一方的な物言いにはショックでしたね」

もともと夫の会社は東京へ転勤する人が多かったそう。景子さんの機嫌が悪くなったことを察した夫は、広島とは環境が違いすぎるため、奥さんがなじめなかったり、子どもも不登校になったりしてしまうケースが立て続いていて問題になっているという理由もつけたしてきたのですが、時すでに遅し。

「最初の話し合いのときに“単身赴任”を決定事項として伝えてきて、話し合いにすらならなかったわけです。あとからごちゃごちゃ理由をくっつけてきても、なにも響きませんでした。すでにこの家も買っちゃっていたし、人に貸すのも大変だから『単身赴任するなら勝手に行けば』ってこっちも突き放した感じで別居することになったんです」

こうして、夫婦が東京と広島で離ればなれで暮らすことになった結果、レスはさらに深刻化。そんななか景子さんが「レスでいるほうが100倍マシ」と宣言するほどの大事件が起きたのです。

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夫とした最後の「行為」。愕然とした妻は卒婚をもくろむ:50代のセックスレス・景子さんの場合2

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