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50代は、子育ても徐々に落ち着いてくる年齢。大学進学などで、子どもが家を離れるといったこともありますよね。フランス人の夫と結婚し、パリに在住するフリーアナウンサーの中村江里子さんの長女も、家を離れて外国で大学生活を送っています。そんな中村さんには、長女へまずかけたい言葉があるといいます。これまでの子育ての思い出とともに、語っていただきました。
記事の初出は2022年12月。年齢などの内容は執筆時の状況です。
新しい道を歩み始める長女。いっしょに成長させてくれて「ありがとう」
すべての画像を見る(全3枚)長女の奈津江は18歳。この記事が公開される頃には、パリを離れ、外国で大学生活を送っているはずです。わが家を巣立っていく彼女に私がかけたい言葉は、まず「ありがとう」です。
フランス語もおぼつかないころの私の初出産。夫は出張が多く、母は東京、義理の母も離れたところにいたので、私はパリで一人きりでした。授乳やお風呂の方法を教わる母親学級に行きましたが、言葉がわからず断念。個人で家にきてくれるような方ともなかなか予定が合わず、呼吸法も知らないまま予定日よりも早く出産を迎えました。奈津江は、そんなゼロからのスタートにつき合ってくれた子どもだと思っています。
彼女のおかげで子育ての楽しみを知ったし、いっしょに言葉を学び、幼稚園の登録に始まる学校のことも、彼女と一緒に初挑戦。文房具の名前さえわからず、「何? これ?」という私の戸惑いを彼女は全部知っているはずです。そういった経験がフェルディノン(長男)やタカエ(二女)のときに生きることになるのですが、奈津江に対しては、「もっとしてあげたかったのに、できなくてごめんね」という思いと、同志というと大袈裟ですが、私自身が彼女とともに成長させてもらったという気持ちを抱いています。
●とにかくエネルギーがあふれている子どもだった
女の子が生まれたら日本の名前と夫も思っていて、私の名前の「江」で終わる3文字の名前をいくつか考えているうちにバタバタと出産になりました。産院で出産後すぐ「この子の名前は?」と聞かれ、彼女の顔を見ながら私の口から出たのが「奈津江」でした。
奈津江はとにかくエネルギーがあふれている子どもでした。周りの人が「目が回る」というくらいノンストップで、子育て経験豊富な私の友人が、「これまで見てきた子どもの中で3大ギャングに入る。江里ちゃんがもっと痩せちゃう」というくらい。それでいてとても優しい子で、いつも笑っていてご機嫌。よく眠るし、夜泣きや駄々をこねるのに悩まされたという記憶がないのです。