働き方の多様化や、ライフステージの変化に合わせて“住まい替え”を考える人が増えています。そこで、実際に引っ越しをした人を取材。人気インスタグラマーの金子敦子さんに、住み替えのきっかけや引っ越して気づいたこと、また、これからの暮らし方についての思いを聞きました。
時間を優先したことで気づけた家の広さより大切なもの
60代の人気インスタグラマー・金子敦子さんが郊外の88平米のマンションから都心の52平米のマンションに住み替えたのは22年前のこと。娘さんの誕生を機に住み始めた旧居は購入して3年目、ローンもかなり残っている状態でした。
「広さは十分だし、利便性もよくてなに不自由ない暮らし。でも夫は仕事柄、海外出張が多かったので、娘とふたりの時間が長かったのと、私だけが育児に専念していることに対して閉塞感を感じるようになりました」
すべての画像を見る(全6枚)仕事をしようにも保育園に入れない。悶々とした日々が続いた末、夫に「都心に住んで仕事をしたい」と相談すると「僕も通勤時間を短くしたい」と意見が合致。ところが新たな住まい探しは難航し、さらにローンの借り換えや転居までの仮住まい探しで夫はストレスを抱えるように。家が狭くなる分、荷物を大幅に減らす必要もありました。
「住み替えは想像以上に大変でしたが、夫は通勤時間が減り、娘も保育園に入れたので、私は夢だった看護師を目指して学校に通うことができました。なによりよかったのは、家族との時間が増えたこと。勇気はいりますが、新たな場所には新たな人生が広がるのかもしれません」
【金子さんの住まいHistory】
35歳:神奈川県に3LDKのマンションを購入
38歳:住まい替えを考え始め東京都内で物件探し。転居のため3か月間アパート暮らし
39歳:東京都内のマンションへ住まい替え
59歳:壁と床、キッチンをリノベーション
●工夫と考え方次第で狭さを感じることなく暮らせる
「前の家より狭くなったけれど狭さは感じない」と金子さん。その理由は自分たちなりに工夫して、すっきりした状態を保っているから。
「リビングダイニングには私物を出しっぱなしにしない」というルールを設けたり、DIYした棚に家族全員の本や書類をまとめたり。仕事柄、増えてしまう服は、使用頻度別に収納場所を変えています。
ぴったりサイズの棚を自作し、こまごましたものを収納。
リビングに置きっぱなしにしているスーツケースの中には、使用頻度が低いバッグなどを収納しています。
今、着ない服は衣類の保管サービス「サマリーポケット」に預けることも。