●抑うつに該当する症状9つ

食欲不振
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それではまず「抑うつ」から説明をしていきましょう。
じつは本人に起こっている症状的なものは、抑うつとうつ病で大きな違いはありません。ここがややこしいところなのですが、基本的には「抑うつ→うつ病になっていく」と考えるとわかりやすです。この抑うつの状態が病的と診断されると「うつ病」として治療対象になります

その「抑うつ」ですが、医療機関の診断基準では次のように定義されています。

(1) 憂鬱な気分が続いている

(2) 物事に興味がなくなる、なにをやっても楽しめない

(3) 食欲がない、食べすぎる

(4) 眠れない、睡眠が浅い、寝すぎてしまう

(5) 話し方や動作が以前にくらべて遅くなっている

(6) 疲れがとれない、気力もわかない

(7) 「自分には価値がない」「自分が悪い」と考えてしまう

(8) 考えたり集中したりすることができなくなってきている。

(9) 死について考えることが多くなった

ざっとこんなところなのですが、これって日常的に起こっていたりしますよね?

誰しも悲しいことやつらいことがあれば、憂鬱な気持ちにもなるし、なにもやる気にならなくもなります。疲労感や焦燥感も感じますし、食欲にも影響が出たりします。そうなんです。抑うつというのは、ほとんどの人が普段でも陥る状態です。ただ、ほとんどの人はこれらが一時的なもので終わっているので、心身に大きな影響が出ないのです。

●うつ病という診断名をつけられるのはどんな状態?

では「うつ病」とはどういうことなのか? これには明確な基準があります。DSM-5という精神疾患の基準マニュアルがあるのですが、精神科のドクターは、ほとんどこれに基づいてうつ病という診断名をつけます。その症状は、抑うつとほぼ同じです。

うつ病

ただ条件があって、先ほど紹介した9つの症状のうち、(1)憂鬱な気分が続いている、(2)物事に興味がなくなる、何をやっても楽しめない、の2つを含め、5つ以上「ほぼ毎日」「2週間以上」続き、生活に支障をきたしている場合、うつ病と診断されます。

ですので、当てはまるようでしたら、早めに病院受診をおすすめします。

私からのアドバイスとしては、抑うつ状態がまだそれほど長く続いていないようであれば、十分に解消することが可能ですので、早めに自分の生活を見直したり、専門家に相談したりすることを心がけてみてください。

秋は季節の変わり目で、自律神経の乱れなども影響しやすいので、ぜひ自分の症状に目を向けながら過ごしたいものですね。

 

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