お店で買い物をすると、ポイントをためることができ、特典などに引きかえてもらえるポイントカード。
「『おトクに決まってる』と思い込んでいるポイントカードが、じつは家計管理を惑わせているかもしれません」と語るのは、ファイナンシャルプランナー、家計アドバイザーの下村志保美さん。
ポイントカードで損しないためのコツを詳しく伺いました。
ポイントカードと上手につき合って節約&片づけ上手に
今、ポイントカードを何枚くらいもっていますか? そして年間どれくらい得をしているか計算したことがありますか? この機会にぜひ考えてみましょう。
●「ポイント」が出費を増やす原因に?
ポイント5倍なんて聞くと、「どうせ買うなら今買わないと損!」。
以前の私はそういう買い物をして、節約したつもりになっていました。
しかし必要なもののついでにと、ポイント目当てに買うものも多く、結果的に予算オーバーすることもしばしば。これらは、ポイントがつかなければ買わなかったはずのものです。
ポイントカードを取り出しやすいお財布や、ポイントカードを入れるカードケースをわざわざ買うなど、おトクなはずのポイントカードによって出費が増えるという、おかしなことになっていました。
●「ポイント」でストックが増えるというデメリット
そうやって「ポイントが貯まる日だから」と食料品や日用品のストックを必要な量以上に購入すると、いろいろなデメリットが出てきます。
・ストックの量が把握できないストックを収納場所にぎゅうぎゅうに押し込んでいると、なにがどれくらいあるのかわからなくなり、ポイントのつく日に「とりあえず買っておこう」とまた買ってしまいます。
・たくさんあると気が大きくなる「残りが少ない」と思うと洗剤もティッシュも丁寧に使いますが、「たくさんある」と思うと気持ちが大きくなり、ムダ使いも増え、結果として節約につながりません。
●ポイントカード&チラシを手放した結果…月間2万円の節約に!
ポイントカードを忘れるとポイントを後づけできないことも多く、出かけるたびにすべてのカードを持ち歩くことが習慣化。いつもお財布がパンパンに。
私は好みのお財布を買ったことをきっかけに、ほとんどのポイントカードを手放しました。
せっかくのお財布がポイントカードでパンパンになることがいやだったので、本当に必要なカードだけに厳選したのです。
そのかわり、スマホのアプリに入るポイントカードはもつことにしました。
お店によってはプラスチックのカードからアプリに移行しているところもありますし、T-POINTやPontaカードのように、カードとアプリの使いやすい方を選択できるサービスも。
「Stocard」や「スマホサイフ」といった、複数のポイントカードをまとめられるアプリもありますが、お店によってはそのお店が発行したカードやアプリでないと対応できない場合もありますので、お店に確認してくださいね。
アプリを導入するとともに、仕事が忙しくなったこともあり、セールやポイントデーなどのチラシを、ネット上も含めて見ることができなくなりました。
その結果、ポイントに惑わされず、必要なときに必要なものを必要な量だけ買うという当たり前の生活に。それまで1か月で家族3人で7万円以上かかっていた食費&日用品の支出が、5万円以下になりました。
●ポイントで得られたおトクは貯蓄にはつながらない
ポイントカードを使っていると、確かにポイントで割引を受けたり、商品券や割引クーポンを手にすることができます。
しかしそれが必ずしも貯蓄になっているのかというと、どうでしょうか?
1万円分ポイントが貯まったとして、その分貯蓄につながっているでしょうか?
私はそうは思いません。自分の経験から、ポイントという「おトク」を手放した方が、支出を減らすことができると感じています。
そしてお金のプロとして、片づけのプロとしてお客様の相談を受けお宅に伺って日々目にするのは、「おトクだったから」とつい予算オーバーした家計や、収納量をオーバーした日用品や雑貨たち。
それらを鑑みると、ポイントは必ずしも私たちの暮らしの「おトク」につながっているわけではないと感じます。
ポイントを貯めておトク感を味わうことは悪いことではありません。しかし、
1.買い物の予算を守る 2.収納に収まる量だけストックを買うこの2点を守ってこそ、ポイントは私たちの暮らしにおトクをもたらしてくれます。