●3:歯みがき粉の成分に注目、つける量も肝心
歯みがき粉には、悪玉菌の除去に効果のある成分が配合されたものがあります。清掃剤、歯周予防の薬用成分である殺菌剤、抗炎症剤が配合の有無をチェックしてみてください。
すべての画像を見る(全6枚)「最近注目されている清掃成分は、重曹(炭酸水素ナトリウム)です。重曹はキッチンのお掃除にも使うほど汚れを落とす力を発揮する成分。加えて虫歯予防になる高濃度フッ素、歯肉の血行を促進するビタミンEなどをチェックするとよいでしょう」
また、歯ブラシにつける歯みがき粉の量は少なすぎないように、適切な量が必要になります。
「6歳以上は歯ブラシのブラシ部分全体と同じ量、だいたい1.5~2cmが適切です。とくに高濃度フッ素配合の歯磨き粉は、適正量を用いることで予防効果を発揮するので、しっかりつけてください」
●4:夜寝る前の歯みがき、10分はかけよう
毎食後に歯みがきできることが理想ですが、1日1回だけでもしっかり時間をかけて丁寧に磨くことが大切。悪玉菌が食べかすを栄養源としてプラークを形成するのは食後約8時間で、さらに留まるとバイオフィルムを形成します。寝る前にみがき残しがあると、睡眠中にバイオフィルムができてしまうのです。
「朝、昼は忙しいのでしかたありませんが、夜寝る前の歯みがきは1本1本丁寧に磨きましょう。必要に応じて歯間ブラシやフロスを使ってみがき残しがないようにすれば、安心です」
●唾液腺マッサージをプラスして口腔乾燥を予防
口腔乾燥の予防には、唾液の分泌を増やすのも効果的。耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの唾液腺を刺激するマッサージを毎日行うとよいそうです。
(1) 耳下腺のある位置(耳たぶの前方、上の奥歯のあるところの頬)に親指以外の4本の指を添えて、後ろから前に向かって10回ほどぐるぐると刺激。
(2) 顎下腺(あごの骨の内側の柔らかい部分)を親指でグッグッと押して、耳の下からあごの下にかけて5ヶ所ほどを5回ずつ刺激。
(3) 舌下腺(あご先の内側、舌の付け根の位置)を両手の親指で5~10回ほど押して刺激。
「歯周病は沈黙の病ともいわれ、痛みもなく進行してしまうケースが少なくありません。歯周病が進むと、歯のぐらつくために不調な部分をさけて噛む状態が続き、咀嚼力が衰えてしまいます。咀嚼筋や表情筋が弱って、老け顔にもなりますよ」と、宝田先生。
「口臭の原因は、口の中の汚れを細菌が分解するときに発生するガスですから、丁寧なブラッシングで汚れを取り除き、細菌の繁殖を抑える働きをしてくれる唾液を逃がさないように心がけましょう。そして、普段から歯科医院で定期検診をうけることも大切です」