夫とはレスのままだけれど、もう無理しないことにした

両家にとって初孫となった子どもの誕生は、親族みんなが大喜びだったそう。夫も「親孝行ができてよかった」と、日々、積極的に育児にも取り組んでいるといいます。そしてお子さんは現在小学生。すくすく元気に成長中です。

●まるで母親が2人いるみたいな生活

「子どもができて夫の料理の腕前が一気に上がりました。いつも栄養面をしっかり考えてくれて、ヒジキの煮物やホウレンソウのゴマ和えなどお袋的な献立が多いんです。子どものしつけは私より口うるさいくらいで、まるで家の中に母親が2人いるような生活です」と秀美さん。

コロナ禍で夫が完全リモートとなったおかげで、子育ては想像していた以上に分担がうまくいっているそう。ところが、2人目のご予定は? と聞くと、秀美さんは「もう諦めました」と即答でした。

「結婚前は『自分はひとりっ子だから、子どもは2人以上欲しい』と思ってたけれど、今もレスのままですし。もう採卵した卵も使い果たし、40代になった今からもう一度体外受精をして…というのは現実的ではないですからね。それでも夫を説得して、自分の意思を明確に伝え、実行に移せたことはよかったなと思っています」

●夫が抱える心の病

うつ
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秀美さんと同じく40代になった夫は、最近、メンタルの不調が出始めました。そんなとき、もしもレスじゃなければという考えがよぎるといいます。

「ここ最近、夫がうつ気味で会社を休むことが増えたんです。今まであまり仕事の話を家でしてこなかったのですが、子どもがいらないという考えの背景には、もしかしたら職場の影響もあったのかもしれません。根が本当に優しい人なんですよね。私と体の触れ合いがあれば慰められるし、心の病はもっと早く回復するんじゃないかなって感じることもあります。けれど、無理強いして夫の負担になってはいけないですし。難しいですよね」

●行為がなくても夫への愛を保っていきたい

夫婦

今回、秀美さんが取材を受けてくださった理由は、レスで悩むだれかの気持ちが少しでも和らいでくれたらいいなと思ったから。答えの出ない夫婦間の問題。話し合うことも、諦めることも、離婚することも、夫婦ごとにさまざまな選択肢があります。秀美さん自身は子どもが生まれたことで心の余裕ができたという反面、レスである現状に寂しさを感じることがいまだにあるそう。

「夫婦仲が悪いわけではないけれど、自分を受け入れてもらっていないという気持ちは残っています。もしかすると夫は夫で性行為が苦痛でしょうがないのかもしれないし、私にも言えないトラウマがあるのかもしれない。世間での普通はこうあるべきだという固定概念にとらわれず、長い人生、お互いの妥協点見つけていくのも大切と考えながら夫への愛を保っていきたいです」

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