私のもとマネージャーのNさんは親思いな性格なのですが、いつかこう言ってました。「実家に1泊するたび、親の生活リズムを崩してるなあって感じて、すっかり足が遠のきました」。なんと優しい。「足を運ばないという親切」というのも、たしかにあるんですよね。まさに親を切ると書いて親切と読みますが、いくら親子であっても、年齢を重ねれば大人同士のつきあい方に変わってくるのは当然のことで、ベッタリでも困る。

私がグッときたのは、Nさんの「視線」です。自分が来たことで、リズムを崩してることに気がつく、というこの視線こそが愛なんだって思えたのです。なかなか子どもの方からは気がつきにくいかもしれません。なぜなら親も(せっかく来てくれたんだから気分よく居て欲しい)と、ごちそうや雰囲気で「歓迎」してしまうからです。でも、子どもは案外、歓待されたいなんて思ってません。行けば喜ぶのでは? と気を使っているだけなのです。子どものあなたが私たちの生活リズムに合わせてね! という態度がベストです。

 

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