人生100年に備えた身支度。テクノロジーと仲よくなる
すべての画像を見る(全6枚)本多さんはご両親を見ているうちに、自分もいずれは行く道だと60代から準備を始めたそうです。
「私は『自分は新しいものを拒否しないようにしよう』と強く思い、60代から暮らしをリセットしました。今はパソコンやスマホなど便利なデジタルツールがたくさんあります。私の年代だと使いこなせていない人もおられるでしょうが、もったいない。私もあまり得意ではないですが、抵抗感の少ないうちに使い慣れておこうと孫や若い人に教えてもらい、トラブルかなと思ったらすぐに聞くようにしました。
60代なら、まだまだ新しいものに取り組む意欲もありますし、仕事も現役世代ですから敬遠せずにやろうと思えます。私は孫との関係が近くなったり、若い人と繋がったりすることもできて一石二鳥だと思いました。今では検索したくなったら、さっとsiriを呼び出すようになりました」
●ニュースは見るのではなく「聞く」習慣に
また、長く「聞こえ」を保つために、ふだんから耳で聞くことを意識した生活にリセット。
「目が疲れやすくなる年代なので、本や雑誌を読む、テレビを見ることがだんだん苦痛になりだします。そこで耳から情報を取り入れることを意識するようにしました。Audible(オーディブル)のコンテンツも増えてきましたし、YouTubeには朗読動画がたくさんあります。好みの声を見つけるのも楽しいです。ニュースもテレビよりもラジオで聞くようにしています。意識して耳を使うことで、聴力の異変にも気づきやすくなるでしょう。また、テレビはだいたい座って見てしまいますが、ラジオはじっとしていなくてもいいので体を動かすことにもつながると思います」
「人生100年と言われ、長生きせざるを得ない時代、以前とは考え方も暮らし方も変えて、テクノロジーと仲良くすることが大事。杖や補聴器も、デジタルツールも早いうちに親しんでおけば、いざというときに使いこなせる。そうすれば年齢を重ねるほど、人生の楽しみがより大きくなると期待できるのではないでしょうか」
●聞こえを保つには定期的なチェックも必要
今年、75歳になり後期高齢者となった本多さん。自治体から届いた健康診査の案内に聴力検査の項目がなく、定期的なチェックが必要なのにと残念に思ったそう。
「トラブルが起きてからでないと耳鼻科を受診することはないですし、認知症を発症するリスクにもなるのですから、健診で年に一度のチェックできたらいいのに」と、本多さん。
補聴器リサウンドのウェブサイトには無料サービス「きこえのチェック」があります。3分で簡単に聞こえの状態がわかるので、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
きこえのチェック
また、聞こえに不安があるけれども補聴器が必要かどうか悩む方は、補聴器相談医の受診もおすすめです。補聴器相談医は耳の状態を診察し聴力検査を行い、治療できるかどうかや、合った補聴器の紹介、経過観察なども行います。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のウェブサイトに全国の補聴器相談医のリストが掲載されているので参考にしてみてください。