●平気で浮気をする夫といつも許してきた妻

聡美さんは視線を落としながら、がんが発覚したときのいちばんショックだったという出来事を話してくれました。

「がんが分かってから、夫とギクシャクしちゃっているんです。お金のかかる病気だし、これから抗がん剤治療をするから、向こうもいろいろストレスだったんだと思います」

夜の街
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若い頃から、もともと女ぐせが悪かったという聡美さんの夫。仕事柄、銀座通いは日常茶飯事。ママ友たちに、夫の女性問題に関する愚痴を話したこともあったのですが、周囲からは「私だったらもう別れるレベルだよ」と言われることもしばしば。けれど聡美さんは「子どもがいるし、相手はいつもプロの女性。本気でのめり込んでいるわけじゃないから」と許してきたそう。

ですが、抗がん剤治療は、長期の入院生活を余儀なくされます。
「またあの人浮気しそうだわ~」とこぼしていた聡美さんの悪い予感はすぐに的中してしまいました。

●妻の入院中に、夫が夜のお店へ

聡美さんが闘病で動けないなか、夫がまた風俗通いを始めたのです。「今回ばかりはいくらお金で割りきった関係とはいえ、本当にやるせない気持ちです」という聡美さん。

まさに抗がん剤治療に挑んで、いちばん苦しい時期。手のひらの血色が少し悪い感じはしましたが、言われなければそんな大変な治療をしているなんてわからないほど。

看護師さん

「この間、病棟の看護師さんに『なんでも話してくださいね』って言われて、ふと『がんを患ってから夫とうまくいっていないんです』ってレスになっている話をしたんです。そういう話、なかなか親戚や友達にもできないし。初めて話しました。そしたら『もう50代なのに、いまだに毎週あったんですね!』とビックリされてしまって…。でも看護師さんのお知り合いの70代の奥様は、ご主人が今も元気で毎週していて大変だとも言っていました。人によるとは思いますが、病気とかしなければ性欲が落ちず、若いときとペースも変わらないんですね」

ただ、夫の行動は、いくらなんでも思いやりがなさすぎると看護師さんも心配されていたそう。女性の立場からすれば、到底許せるものではありません。

しかし、聡美さんは「今は離婚する気はありません。病気だけでも大変なので、環境はできるだけ変えたくない」とキッパリ。

しかし、人生の中でリアルに「死」がよぎったことで、価値観が大きく変わったといいます。体調が落ち着いてから改めて聡美さんに、今後の夫婦関係についてどう考えているのか、インタビューしたお話はまた次回。

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