不動産価格が高騰している今、マンションを買うなら、数年後に売却することを考えて購入したい方も一定数いることでしょう。売却を前提として購入する場合の物件選びのポイントを教えます。価格、立地、築年数、広さ、リノベーション…気になるポイントは? マンションリノベーションのコーディネートを行う会社「EcoDeco」で、不動産売買の業務に携わる、宅地建物取引士の天井理絵さんが詳しく解説します。
すべての画像を見る(全9枚)売りやすい不動産と、売りにくい不動産がある
上の表は、国土交通省が四半期ごとに公表する「不動産価格指数(住宅)」をもとに作成した全国の不動産価格指数です。
この表からもわかるように、マンションの価格は、2013年頃から右肩上がりで上昇を続けています。 ちなみに不動産価格指数は、2010年のマンション価格を100として算出されたものですが、直近の2023年3月では、190.1とほぼ倍になっています。
不動産市場が下落すると言われていた東京2020オリンピック後も、コロナ禍以降も、なかなか価格は落ち着かない現状。ですが、売り手市場のなかでも、長期間買い手がつかないまま市場に残っている物件も存在します。
そういった物件は、どのようなものでしょう。売却しにくいマンションに手を出さないために、8つのポイントに絞って見ていきましょう。なお、今回のポイントは、社会情勢や新駅ができるといった地域の変化など、予測しづらい外的要因をはぶいて考えています。
ポイント1:適正価格を調べて、適正な価格で購入する
2023年の今、不動産市場には強気の価格という印象を受ける物件が多々あります。購入前には、しっかりと適正価格を調べ、不動産仲介の担当者と価格交渉をしたうえで、購入しましょう。
物件の適正な価格を知る方法は3つあります。
1.取引事例比較法
2.原価法
3.収益還元法
なかでも中古マンション購入するときにチェックしたいのが、1の取引事例比較法です。これは近隣で、実際に取引が行われた成約事例を集めて比較検討する方法のこと。
探してもらっている不動産業者に調べてもらえば、すぐにわかります。同じ地域でここ1、2年の成約事例の金額を調べてみましょう。同じマンションで類似事例があれば、なお好ましいです。
築年数や面積が似ている物件の取引価格(坪単価)からでも、ある程度、適正な価格が導き出せます。
そもそも売主は「お試し」で強気の価格を提示しているもの。価格交渉ができる場合も多いのです。以下で説明するポイントに当てはまるかどうかチェックしながら見極めましょう。
ポイント2:駅近&都心&住環境がいい立地を優先する
不動産の価値を決める大きな要素は立地。当然ながら、利便性の高い都心に近い場所や駅からの距離が近い場合は「欲しい人」が多いもの。将来的にも資産価値が落ちにくいと言えます。
ほかにも、ファミリー向けマンションであれば、幹線道路や線路から離れた静かな立地であったり、大きな公園が近かったり。このような住環境がよい立地の方が、需要は高いです。