体のつながりがなくなっても、変わらない愛情の形
医師からは「性行為ができなくなる」というところまで踏み込んだ事前説明はありませんでしたが、「術後に体のほかの部分が通じなくなることがある」と言われたときから、私は最悪の事態も想定して覚悟をしていました。なので、ある意味、この程度ですんでよかったと前向きに捉えることもできました。
そして現在60代に突入した夫本人も「手術はしてよかった!」と言っています。以前のように転ぶこともなくなり、今は大好きなゴルフにも復帰することができました。ただ行為だけができなくなっただけ。
もう年齢も年齢なので、このことにわざわざフォーカスして夫婦で話し合いをすることもありませんが、夫からのスキンシップや愛情表現は以前と変わらず…、いや、むしろ深まってきたようにも感じています。
●キスもハグも毎日あります!
すべての画像を見る(全4枚)夫は「大好きだよ」とか「いつもありがとうね」という感謝の言葉を毎日伝えてくれています。行為ができなくなった分、夫は意識的に言葉やキスやハグなどの愛情表現も積極的にする努力をしてくれているのかも。
寝るときも一緒のベッドに並んで眠りにつくのですが、「少し触らせて」と胸元に手を入れてくることもあります。もうこれから先、夫と夫婦生活がないことが確定していますが、私はこういう触れ合いだけで十分に満足です。
●今更「ない」くらいでは悩みません
私たちは、人生の中盤に巡り合えた再婚同士の夫婦。お互いの子どもたちも成人していて、性欲優先でガツガツ相手を欲するような年齢でもないので、こうして穏やかな時間を過ごせているのかもしれません。
夫に出会うまでの若き日の道のりが、私の場合かなりキツかったので、今は神様がくれた人生のご褒美タイムなんじゃないかとさえ思っています。性欲処理の道具みたいな扱われ方をされるよりよっぽどいい。できなくなったからって、夫への愛が冷めることもありません。
●目標はキレイなおばあちゃん!
ただ、更年期なのか、しなくなったことが原因なのか、理由はハッキリはしないのですが、女性ホルモンとかのバランスが崩れてきているのかな…という自覚はあります。
そして年齢的にもシニアに差し掛かってきましたが、女性らしい美しさに磨きをかけていくことは怠らないようにしていこうと考えています。なので、エステや美容室へはきちんと定期的に通って、夫と出かけるときには服もメイクもオシャレにするなど、いつまでもときめいてもらえる存在でいられるように努力をしているし、そういうところを夫も喜んでくれています。目標はキレイなおばあちゃんになること。
「今日もかわいいね」と夫に言ってもらって毎日2人で微笑み合えるよう、1日1日を大切に生きていきたいと思っています。