防災のプロが家に置かないもの
25年前、阪神淡路大震災で自宅が全壊したのをきっかけに、災害医療に目覚めた辻直美さん。以来、災害レスキューナースとして長年多くの被災地で活動してきました。
「シンプルな暮らしを目指すことが、じつは防災につながる」と話す辻さんに、自宅で実践している防災術を教えてもらいました。
「ものがたくさんあると、被災したときの片づけが大変です。なにがどこにあるかわからない、寝ることもできないと、どんどん負のループに陥ってしまいます」と辻さん。
シンプルな暮らし=防災対策というのは、そういう理由からです。
<辻さんの防災術>
・ものを減らす
・防災専用のものはなるべく買わず、代用できるものを選ぶ
・100円グッズも活用し、大きな手間はかけない
●タオルを減らして、手ぬぐいを増やす
キッチンに置くタオルは手ぬぐいにして、ぼろくなってきたらぞうきんに。
「手ぬぐいは、マスクや止血にも使え、汎用性があるので、タオルを減らして手ぬぐいを使っています。おみやげに選ぶことも増えました。バスタオルを全部やめて手ぬぐいに、とまでは言いませんが、普段の生活から取り入れることをぜひおすすめします」
●食器は割れるもの。高価なものは買わない
特別なこだわりがないなら、割れにくいお皿を使うのもひとつの手。
「私も阪神淡路大震災で被災する前は、リチャード・ジノリのカップなどを集めていましたが、全部割れてしまいました。今は100均やニトリで安くてかわいいお皿が売っています。ちなみに山崎パン祭りのお皿とモロゾフのプリンカップは最強で本当に割れません」
●玄関マットは置かない
「玄関マットは逃げるとき足を引っかけたりしたら危険なので置きません。また、ゴミ捨てに行くときでも必ずスニーカーを履きます」
ただし、キッチンマットはお皿が割れたときを想定して置いているそう。