今日は3月11日。この時期に考えたいのが、地震に対する備えのこと。今すぐできる家の防災対策と、知っておきたい災害時の行動についてご紹介します。
つっぱり棒が入らないすき間は、牛乳パックでつくった防災アイテムで対策!
2011年3月11日、埼玉県の高層マンションで地震を迎えたライフオーガナイザーの尾花美奈子さん。その際に実感した、防災インテリアのポイントを教えていただきました。
「当日は、週末のためにおかずのつくりおきをしているところに地震が発生しました。
最初は小さい揺れでしたが、止まるどころかゆっくりゆっくり着実に、これまでに体験したことがないほど大きくなり、それにつれ食器棚もガタガタと音を立てて前後に揺れ、天井との間につっぱっていた2本のつっぱり棒のうち1本がはずれた途端にお皿が2枚飛び出しました」
幸いそれ以上揺れることはありませんでしたが、食器棚のいちばん下の引き出しが開き、隣に立てかけていたコードレス掃除機が倒れ、シンク周りにあった物はシンク内に滑り落ちてたそう。
「私が住む埼玉県川口市の揺れは震度5強で、わが家はマンションの高層階なので実際はそれより大きく、恐らく震度6ぐらいの揺れだったと思います。それなのにこの程度ですんだのは、やはり少なからず対策をしていたからです。
事実、対策をしていなかった同じマンション内の家では、わが家より下の階であっても食器棚や本棚が完全に倒れ、割れた食器や本が散乱してすぐには近寄れず、その日は別の場所に避難したそうです」
●対策の重要性を痛感し強化することに。牛乳パックに着目
震災対策の重要さを感じ、さらに強化することにしました。そのときに注目したのが牛乳パックです。
「幼稚園や保育園などで牛乳パックでつくったイスを見たことはありませんか? 大の大人が座っても大丈夫な程強度があり、これをつっぱり棒の代わりとして食器棚と天井の間にはめ込むことにしました」
【防災アイテムのつくり方】
(1) 牛乳パックを食器棚から天井までと同じ長さにカット。すき間にギリギリ押し込めるくらい、気持ち大きめにカットするのがコツです。1つには新聞紙をつめ、もう1つをフタのようにしてかぶせます。
(2) これをいくつもつくり、ガムテープでまとめます。
(3) 天井や壁紙に近い色の紙を牛乳パックのまわりにはって、食器棚の上へはめ込みます。
「このグッズのよい点は、飲んだあとの牛乳パックをリメイクできるということ、そしてサイズが自由自在ということ。たとえば天井との距離が市販のつっぱり棒より短いとしても、牛乳パックなら好きな長さにすることができます。
10cmでも上があいていれば食器棚は前後に揺れ、倒れなかったとしても、少し傾いた瞬間に中の食器などが落ちることも。牛乳パックを押し込むようにして食器棚と天井とのすき間を埋めましょう」
ご紹介した防災グッズは、震災の被害を必ず防ぐものではありません。ほかのグッズと組み合わせるなとして対策してください。