最愛の息子を歩道橋から突き落とし、瀕死の重体に追いやった犯人と、その事件を隠蔽した政治家を探し出すための壮絶な復讐劇『罠の戦争』。ついにクライマックスを迎え、大きな盛り上がりを見せています。本作は、草なぎ 剛さんが主演を務めた『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く“戦争シリーズ”の第3弾。
『罠の戦争』は人の感情をひと言では表せないと感じる作品
草なぎさんは主人公の鷲津亨を演じています。亨は、内閣府特命担当大臣まで上りつめた犬飼孝介(本田博太郎)の議員秘書として公私問わずに身を捧げてきました。しかし、犬飼から「息子の事件を事故として処理しろ」という理不尽な要求を突きつけられ、警察も捜査から手を引いたことから、復讐を誓うことに。
●亨は3作のなかで、もっとも普通のキャラクター
「前2作は、冒頭から衝撃的なストーリーが続いて、キャラクターもパンチがありましたが、亨は3作のなかではもっとも普通のキャラクター。視聴者の方には、身近に感じていただけるんじゃないかな。僕にとっては、徐々に膨らんでいくような役。それだけ深いし、人物像がわかりにくいところが演じていておもしろいです。しかも、前2作はスパンッと復讐したけど、今作は今まででいちばん大きな敵を相手にジワジワと復讐していくところが、たまらないですね(笑)」
こう語るように、妻の可南子(井川 遥)、同僚秘書の蛯沢眞人(杉野遥亮)と蛍原梨恵(小野花梨)、古くからの友人で衆議院議員の鷹野聡史(小澤征悦)、フリーの週刊誌記者・熊谷由貴(宮澤エマ)たちを味方につけて、念入りに準備する亨。
長い秘書生活で培った政治の世界での知略と人脈と情報を駆使した復讐が始まります。まずは、大臣の政務秘書・虻川勝次(田口浩正)を排除し、次に犬飼大臣を引退に追いやり、犬飼の息子で政務秘書官の俊介(玉城裕規)を失脚させます。その後、亨が自ら出馬して衆議院議員に。そして、事件を隠蔽した黒幕と同じ政治家という土俵に上がりますが、亨の前には総理大臣の竜崎始(高橋克典)や党幹事長・鶴巻憲一(岸部一徳)という、さらに大きな権力が立ちはだかります。
●罠を仕かけているのか、ハマっているのか…
「今作の脚本も、前2作同様、後藤法子さんが手がけてくださっていて、こちらが罠を仕かけているのか、それとも罠にハマっているのかわからないというドキドキ感があります。一方で、それぞれのキャラクターには抱えている悲しみやバックボーンがあって、人の感情はひと言では表せないと感じる作品でもあるな、と思いました。笑っていてもどこか寂しそうだったり、感情って割りきれないことが多いじゃないですか。そういった丁寧な心理描写も見どころだと思います」
亨は、やがて事件の犯人を見つけ、だれが隠蔽したのかを暴き出します。その一方で、新たに動き出す永田町の人々…。事件の裏に隠された真相とは? 愛する家族のために、亨が選んだ答えとは? スリリングなストーリー展開と、草なぎさんの鬼気迫る演技に、最後まで目が離せません。
草なぎさんの「なぎ」は、正しくは弓へんに旧字体の前に刀
『罠の戦争』
毎週月曜 夜10時
フジ=カンテレ系 全国ネット放送中