世界情勢の悪化、円安などの影響で光熱費の高騰が深刻です。2年前に大手ハウスメーカーでオール電化の家を建てた日刊住まいライターも、この冬、電気代が過去最大を記録。その理由と対策を詳しくレポートします。加えて、この経験を生かしてこれから家を建てるとしたら、どういう家にするかという考察も。

筆者の家
筆者の家。この屋根の上には約8kWh太陽光発電パネルを搭載している
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家づくりでは太陽光発電、蓄電池それぞれ8kWhを採用

全館空調システム

わが家は子ども2人(上の子が4歳、下の子が1歳)を含む4人家族。1階に約19畳のLDKがある総2階で、各階約29畳。オール電化で、太陽光発電を約8kWh、蓄電池を8kWh採用しています。

1階と2階にそれぞれに全館空調システムも採用していますが、日中はLDKのある1階のみ使用。寝るときは寒いときのみ、寝室のある2階のシステムだけを稼働させています。

なお、常時運転するモードではなく、部屋の温度が設定温度からはずれた場合のみ稼働するモードを積極的に使うようにしています。これは、後者のモードの方が、筆者の家の場合だと電気代を抑えられるためです。

 

2022年12月から1月にかけての電気代が過去最大に!

電気代

2022年12月から1月にかけての電気代が「3万746円(売電込み)」、使用電力が「930 kWh」でいずれも過去最大でした。節電対策として、この冬からリビングにホットカーペットを導入したのですが、結果はこの数字に。

わが家は床暖房もついていますが、今シーズンは電気代を抑えるため一切使っていません。床暖房は1階のLDK全面に作用してしまいます。しかしホットカーペットなら、その範囲内(わが家の場合はリビング)でのみ作用するため、床暖房と比べると電気代を抑えられると考えたからです。

確かにこの期間は、年末年始の長期休暇で家にいる時間が長い時期です。また親せきが家も泊まったことで、使用料が増えたと考えられます。しかし、それ以上に、電気代が高騰。過去最大の金額になりました。

 

1月の電気代は売電込み1万8292円から3万746円に!

リビングの照明

ちょうど1年前の2022年1月の電気代は「1万8292円(売電込み)」、使用電力は「774kWh」でした。そして、ここ3か月の電気代と使用電力は以下のとおりです。

2022年12月1万6555円(500kWh)
2023年1月3万746円(930kWh)
2023年2月1万9899円(733kWh)

これらの数値を「電気代/使用電力」で見ると、2022年1月は「23.6円/kWh」、2022年12月は「33.1円/kWh」、2023年1月は「33.1円/kWh」、2023年2月は「27.1円/kWh」となり、2022年1月の電気代と比較すると、高騰していることが改めてわかります。

2023年2月から「電気代/使用電力」が低くなっており、これは国からの補助によるものと考えられます。

 

電気代高騰の原因は「燃料費調整額」と「再エネ促進賦課金」

全館空調システム

電気代が異常に高くなったと感じたため、家づくりでお世話になったハウスメーカーの営業にも、聞いてみました。電気代が高騰している原因は、「燃料費調整額」と「再エネ促進賦課金」の高騰とのことです。

燃料費調整額の高騰は、ロシア-ウクライナ問題により、火力発電に必要な液化天然ガスの価格上昇のため。「再エネ促進賦課金」は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が正式名称で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る費用分を、電気を利用する国民が負担するというもの。

多くの家庭が太陽光発電を利用するようになった一方で、電力会社の買い取り費用が上がり、電気を利用する国民への負荷も大きくなっているようです。