NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」でも注目が高まっている「空の仕事」。私たちが快適で安全な飛行機旅行ができるのも、さまざまな専門分野の技術力支えられているからこそ。しかし、姿を見かけることはあっても、その仕事内容や想いについて直接お話を伺う機会は少ないですよね。そこで今回は飛行機のメンテナンスを担う女性に注目しました。

◆女性機長へのインタビュー記事はこちらから◆

JALで女性初の大型機機長は3児の母。「双子を生んだあとは壮絶で記憶もなくて…」

飛行機を裏で支える航空整備士。「この仕事にやりがいを感じている」

航空整備士
今回お話を伺った、航空整備士の武藤さん
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ここでは飛行機に関わる仕事をする方のインタビュー第2弾として、前回の女性機長・長谷川さんにつづき、日本航空(JAL)で航空整備士として働く、武藤美希さんにお話を伺いました。

●意外と知らない航空整備士の業務

飛行機関連の“整備”は大きくわけて、「飛行機に対する整備」と「飛行機から取り下ろした部品(エンジンやブラックボックスなど)に対する整備」の2種類。現在武藤さんが行っているのは「飛行機に対する」整備だといいます。

「飛行機の整備は、着陸してから次の出発までの限られた時間の中で、機体が正常かどうか確認するものもあれば、格納庫で数か月かけて部品を取り外し、機体構造のチェックや部品の交換をするものもあります。また、少人数が個々で動いているイメージがあるかもしれませんが、私が担当している部署はチームで整備作業を行っています」

整備のお仕事

航空整備士の勤務形態としては、チームごとに早番(8時~17時)・遅番(15時~21時)・夜勤(21時~翌朝8時)の3つのシフトで動いています。

早番の次の日は遅番、遅番の次の日は夜勤…と毎日シフト制で変わっていくため、武藤さんもはじめはやっぱり大変だったそうです。また、飛行機が駐機されている時間としては夜は多くの飛行機が駐機するため、整備の仕事もたくさんあり、多くの整備士が働いているのだとか。

「整備士は力仕事だけでなく、繊細な作業もあります。また、故障の原因を追究したり、重要な決断をしなければならない場面もあります。共同作業者との会話だけでなく、トラブルに関して整備以外の関係者に状況を説明したりもするので、コミュニケーションをとることが非常に多いです。飛行機の種類や数も多いので、仕事のバリエーションは豊富です」

とはいえ、体力はもちろん、ミスが許されないゆえに気力もたくさん使います。そこで大事になってくるのが、食事や気分転換なのだとか。

メニュー
社食のそば・うどんのつゆは、関東風と関西風が存在

格納庫があるJALメンテナンスセンターには「SKY DINING」という社食があり、メニューも日替わりで豊富。食事時には、整備士をはじめとした多くの人が訪れます。

「この仕事は、少しのミスがお客さまの命に直結してしまう。仕事中はすごく神経を使いますし、それは全員がプレッシャーを感じるいちばん大変なところです。だからこそ、食事の時間はしっかりとつくる。食べないと冷静な判断もできなくなるし、リセットのタイミングにもなるので、いいパフォーマンスをするうえでも大切なんですよ」