空へ憧れをもつ主人公・舞が、さまざまな困難に翻弄されながらも懸命に前に進む姿が反響を呼んでいる、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。大学編・航空学校編で注目された「女性パイロット」に興味を持った人も多いのでは。そこで現役で活躍する女性機長を取材、目指したきっかけや子育てとの両立など詳しく聞きました。
女性機長は3児のママ!「職場復帰の際に不安はあったけれど…」
すべての画像を見る(全8枚)今回は、日本航空(JAL)で唯一大型機の女性機長であり、プライベートでは3児のママの長谷川千春さんに「パイロット(運航乗務員)」について、お話を伺いました。
●意外と知らないパイロットの勤務形態
担当している飛行機によって行き先も勤務形態も違いますが、長谷川さんが機長として乗務しているのはボーイング777型機で、北米やヨーロッパの国際線がメイン。1回のフライトで、4~5日パターンで海外を往復し、帰国後は3日間お休みという1週間のスケジュールで動かれているそうです。
<長谷川さんのある日のスケジュール>
- ・朝6時半 起床
- ・午前中 子どもの見送りや掃除などの家事をこなす
- ・13時 会社に到着(出社後は、フライトに向けた確認などを行う)
- ・16時 ロサンゼルス便に乗務(フライトタイムは約10時間)
- ・深夜2~3時 ロサンゼルスに到着
- ・深夜4時 現地のホテルに到着
- →2日間ほどロサンゼルスにステイし、その後再び日本へ戻る
ここで気になるのは「10時間」という長時間のフライトタイム。この間、パイロットの皆さんはずっと座りっぱなしなのでしょうか?
「ボーイング777型機の国際線の長大路線では、パイロットが3人(機長2人、副操縦士1人)なので、10時間を3分割して運航しています。1人あたり3時間程度のお休みがありますが、休憩時間はとくに規定がないので、仮眠にあててもいいですし、過ごし方は人それぞれ。乗務中は基本的には座っていて、休憩の間だけ立つという形です」
ちなみに食事やお手洗いは運航に支障のないタイミングであればいつ行ってもOK。国際線のパイロットは、ボックスに入った食事を各自座席で食べているそうです。(ただし、リスクヘッジのためそれぞれ違うものを口にしています)