住み心地と経済性を両立できるのが省エネ住宅のメリット

三浦さんの自邸
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監修した三浦さんが実践した自邸のZEHプロジェクトでポイントとなったのが、快適に暮らしながらゼロエネルギーの住まいを実現させることでした。

 

断熱材の厚さ

用いた断熱材は一般的なグラスウールですが、山形県の省エネ基準をクリアする断熱材の厚さ壁10㎝、屋根20㎝に対し、三浦さんは壁に20㎝、屋根に44㎝と倍量を入れたほか、窓もペアガラスではなくトリプルガラスにしています。

家から逃げるエネルギー量を極力抑え、省エネルギー住宅にすることこそZEH実現の前提条件だからです。

 

年間の光熱費比較
※創エネルギーの売電価格は含みません。また、各数値は試算値であり、実際の光熱費とは異なることがあります。  出典:「快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅」(発行:住宅生産団体連合会)

もちろん家そのものの断熱性能を上げて、設備機器にエネルギー効率の高いものを選べばそれだけ初期コストはかかります。上の表にあるとおり、年間の光熱費比較でこれだけの差がでます。

ZEHはランニングコストで考えれば、おトクな住まいといえるでしょう。また、熱効率に優れたZEHは暑さ寒さの我慢は基本的に不要です。屋内の温度差がきわめて少なく、そのため窓や収納内部に結露することなく、よってカビも生えないので快適で健康的な住環境が実現します。

 

ZEH住宅の着工件数は順調に伸びている

こうした快適性と経済性の両立が注目され、ZEH住宅の着工件数も順調に伸びてきており、2016年のに3万4973棟に比べ2020年度は6万2560棟まで増えています。脱炭素への流れも後押しして、今後もZEHの供給戸数は増えていくと思われます。

 

知っておきたい!省エネ住宅に関する用語解説

●ZEH【ぜっち】

Net Zero Energy Houseの略語で、エネルギー収支がゼロ以下になる家を表します。ただし、暑さ寒さを我慢する家ではなく、住宅の断熱性・気密性を上げて少ないエネルギーで快適に暮らせる家がこれからのZEHです。

 

●C値【しーち】

C値は家全体で隙間がどのくらいあるかを表した数値です。隙間相当面積とも呼ばれ、隙間の合計面積(㎠)を建物の延床面積(㎡)で割って算出し、「㎠/㎡」という単位
で表します。数値が小さいほど優秀です。

 

●Q値【きゅーち】

「熱損失係数」のことで建物の熱の通りやすさを表し、数値が小さいほど断熱性が高いことを示します。熱損失量を床面積で割るために延床面積に左右されてしまうことから、現在はUA値に代替しています。

 

●UA値【ゆーえーち】

壁や屋根、床からの熱の通りやすさを示した数値で「外皮平均熱貫流率」ともいいます。UA値が小さいほど断熱性能は高く、地域区分ごとに北海道などの0.46から鹿児島県などの0.87まで数値基準が掲げられています。

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