インナーバルコニーで重要なのは、広さと室内とのつながり

せっかくインナーバルコニーをつくっても、「洗濯物が乾かない」「おうち時間も楽しめない」では残念すぎますね。ではどうすれば、よかったのでしょう。一級建築士・大島健二さんが詳しく解説してくれました。

 

●一級建築士・大島さんのアドバイス

アウトドアリビング
写真はイメージです
すべての画像を見る(全5枚)

インナーバルコニーという用語に厳密な定義はありません。一般的には以下のように理解されています。

●建物の内側に設けられた、屋根つきの広い空間で、洗濯物を干すだけではなく、リビングの延長のようにさまざまなアクティビティを可能にする空間

重要なポイントは「広い」ということと、室内とのつながりです。

またリビングのくつろぎの延長にあるので、アウトドアリビングと呼ばれることもあります。1、2畳の広さでは、庇(ひさし)のついたマンションのバルコニーとなんら変わらず、洗濯物を干すだけに終わってしまいます。せめて角に設けて東と南の2面を外部に開放するなどの工夫が必要です。

インナーバルコニーは、「家の中により屋外的な空間が欲しい」という社会のニーズから生まれたもの。昨今、外出の自粛を余儀なくされる時期があったことなどにより、さらに注目されています。とくに庭を設けられない都市部の住まいなどにおいて、そのメリットを大きく発揮することができると考えられます。

●教えてくれた人:大島健二さん
一級建築士。OCM一級建築士事務所主宰。住宅から商業施設まで、和・洋・中の概念を超えたデザイン性の高い空間を提案している。『家づくり解剖図鑑』『建てずに死ねるか!建築家住宅』『下町の名建築さんぽ』など著書も多い

関連記事

ガス衣類乾燥機&ランドリールームの導入で無敵の家づくり。オール電化にせず後悔なしインナーバルコニー+木製格子で、洗濯物を目隠し&雨風に不安なしの家に建売住宅は買ったままで住めない!あわててそろえた3つの設備