外から見えないように布団や洗濯物を干したいと、インナーバルコニーをつくる間取りが増えています。少し広めにしてイスやテーブルを置けば、ここでカフェ気分を味わうことも可能。しかし、配置する場所や広さを間違えると後悔するケースことも多い、要注意スポットです。ここで紹介するのは、典型的な失敗事例。どうすれば、大満足の場所にできるかという、一級建築士によるアドバイスも参考に。
すべての画像を見る(全5枚)外観と調和したデザインのインナーバルコニーに大満足
南に広がる庭側に、アプローチや玄関を配したYさんの家。「設計をお願いする際に、外観はシンプルな箱型にして、南側の2階に布団や洗濯物が干せるベランダが欲しいと伝えました」(夫妻)。
そして完成したのが、2畳ほどのインナーバルコニー。2つの個室にはさまれるように配置され、屋根はバルコニーいっぱいにかけられています。さらに外観アクセントとなるように、庭側にはアール状の垂れ壁が。
「この壁がおしゃれで、洗濯物が外から気づかれにくい点も気に入ってます」(夫妻)。
インナーバルコニーでは、洗濯物が乾かない!?
しかし問題が。「インナーバルコニーは、屋根が雨よけになって、風もほどよく通ります。羽毛布団や子どもの運動靴など、陰干しできるのでとても便利なのですが…」(妻)。
聞けば、日差しは奥まで届かず、洗濯物を乾かすには、インナーバルコニーからはみ出すように干さないとならないのだとか。
「これでは、外から洗濯物が丸見えで、外観デザインが台なしに。こんなことになるなら、屋根に天窓を取りつければよかった」と、後悔します。そうすれば日差しがたっぷりと入り、物干し場として大活躍したのにというわけです。
また、テーブルやイスを置いて、カフェテラスにすることも考えていたのですが…。奥行きがなさすぎて窮屈。そもそも、干し場として使いにくい!
もう少し広くつくっていれば、お茶やお酒を楽しんだり、読書したりして、毎日が楽しめたかも…。後悔することしきりです。