「こんなときどんな服を着ればいいかわからない」のあるあるなお悩みに合わせたアイテムやコーディネートを、30~40代の今を生きる3人の個性豊かな女性の日常とともに紹介していきます。第18回は「グレーのタートルリブニット」の着まわし。冬のオシャレに欠かせないフィットタイプのリブニットは、シンプルに1枚で着るのも良いけれど、レイヤードさせるともっとすてきです。

◆前回の話はコチラから◆

42歳の“理想”と“現実”…悩む私を「グレータイツ」があか抜けさせてくれる

●寒い日だってシャツが楽しめる!インして使う

【2/3 金曜日 PM7:00 落ち込む親友とバーへ】

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ミキ:マユミから「今からミキの家行ってもいい?」と突然の連絡。「ユウとケンカしちゃってひとりがキツくて…」。うちには義母がいて落ち着いて話せないからと、最寄駅前のバーで会うことにした。お笑い番組を見ながら晩酌をする夫に、食卓の片づけと子どもたちの世話を頼んだが、目も合わせず「うんわかった~」と聞いてるのか聞いてないのかわからない返事。出がけに「何時に帰ってくる?」と聞かれたことに少しイラッとした。

家の中では1枚で着ていたタートルリブニットも上からシャツを着ればよそゆきなムード。何色のシャツを合わせてもうまくなじむグレーが便利で気に入っている。パンツもグレーにしてトーンを統一するとオシャレ度が増す気がする。シャツの袖はクシュっと折りあげ、ニットの袖を見せて“ちゃんと考えて着てますよ”感を出すのが大事。なにも飾りがないとメンズライクだから大ぶりのイヤリング赤いバッグで盛り上げた。

もう恋なんて遠い昔の記憶でしかない私がアドバイスできる気はしないけれど、マユミも大人。きっと私に解決策を求めているわけじゃない。心細い時間に、誰かの気配を感じていたいだけなはず…とわかってはいるものの、今の私にはなにができるだろうかと気後れしてしまう。

マユミ:一緒にいたら楽しいし話も盛り上がる。でも連絡はいつも私からで、新しい話題を振るのも私で、聞かなければ自分の話をしてくれることはないし、なにがしたいとか一切言わなくて。なんでもニコニコ聞いてくれるところが好きだけど、なんの意志も感じられないユウに疲れて、責めちゃった。私だって甘えたり頼ったりしたかった…。

ミキ:マユミの「頼ったりしたかった」の過去形に、ユウくんとの時間の中で見えない努力をたくさんしてきたのだと悟った。友達同士ならよかったかもしれないね…と言いかけてやめた。友達同士だったらマユミはユウくんの近くにいることはなかった。恋だから巡り会って、恋だから悩んで、恋だからうまくいかなかった。存在しない“もしもこうだったら”の話なんて、ただつらくさせるだけ。現実はただひとつなのだから。

ほらやっぱり、私にできることなんてなにもない。でも、私は友達同士だから、友達が悩んでいるときに一緒にいてあげることはできる。「マユミ~今からカラオケ行く!? ほらー大学生の頃なにかっていうと行ったじゃん。ね!」。夫から「もう22:00近いよ~何時に帰るの~?」とLINEがきていたけれど、未読無視。今夜の私は、マユミのためにあるって決めたのだから。