●ニューヨークのカフェを撤退後、パートナーとの縁が深まる

平野さん
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平野 私は京都と東京にお店を出して、軌道にのったところで、夢だったニューヨークにも店舗を開きました。60代での挑戦でしたから、当時を振り返ると「よくまぁ決心したな」と思いますが、そのときに「撤退の時期だけは間違えたらいけない」と肝に銘じていました。結局、毎月100万円くらいの赤字が出て、石の上にも3年とは思いましたけれど、2年で撤退。「あのときのお金があったら…」とため息が出ますけれど(笑)。お店の経営を失敗してひとつのドアを閉じたら、今度は別のドアが自然に開いて、今の夫との縁が深まったのです! 自分でもびっくりしているのですけれど。

中道 お店を手放したからですか? 再婚相手とはアメリカで出会われたのですか?

平野 そうです。ふたつは同時には手に入らないものなのでしょうね。彼とはニューヨークで出会いました。出会った当時はまだお店を続けていましたが、彼との距離がぐんと近づいたのはお店を手放してからです。

中道 「ビジネスで成功したら、恋愛の縁がなくなる」とよく聞きますよね。どちらか一方なのですかねぇ。シングルだった20年近くの間、恋愛はされていたのですか?

平野 いえいえ、まったくないですよ。恋愛なんて、もう私の人生にはないものだと思っていました。京都と東京のお店が徐々にうまくいくようになって、「ほかのことは望んだらいけない」という感覚がありました。ひとりで生きていくことに慣れてくると、「ひとりも案外楽しいじゃない」という感覚もありました。ニューヨークに渡ってからも2年間はがむしゃらに働いたので、そのときもシングル。本当にお店を閉じてからです。最初は友だちで、普通におつき合いをしている感覚でした。でも、私は京都の人間、昭和の人間なので、だらしない関係だけは続けたくない、どこかでけじめをつけないという気持ちになって入籍しました。

中道 どこまでも先を歩いていますよね。だんだん女性として終わっていくところを、またひと花咲かせるという。