●アメリカの「学童保育」の仕組み

アメリカの子ども
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アメリカの小学校も、授業が午後早くに終わり、学校都合による不定期の休みや長期休暇があるのは日本と同じです。日本では学童保育がこれを補うところですが、地域による格差が深刻で学童に入れない待機児童も増えていると聞きます。

アメリカでは、学童保育のような位置づけにあるのが、「アフタースクール」や「サマースクール」です。学校の授業時間の前後に、学校の敷地内もしくは地域のコミュニティーセンターで保育を行うビフォアースクール/アフタースクールは、働く親にとってはありがたい制度。そこが定員いっぱいの場合でも、「ボーイズ&ガールズ・クラブ」という非営利団体が展開する施設が全米各地にあり、学校から徒歩やスクールバスで子どもを連れていってもらえます。

低所得家庭は無償で、それ以外はどちらも月数万円かかり、決して安いとは言えませんが、専任のスタッフがガイドラインに基づき適切に配置され、子どもは外の遊具や体育館で遊び、工作などのアクティビティーを楽しみ、おやつを食べ、宿題も行うという充実ぶり。夏休みなど長期休暇もオープンしています。

毎日でなくていいなら、アフタースクールアクティビティーもあります。これは1週間に1回、決まった曜日に行われるプログラムのことで、いわば習い事ですね。学校の敷地内、もしくは学校からの送迎サービスのある地域の習い事の教室で放課後に民間委託で実施されています。約3か月おきに申し込めて、料金はさまざま。アート、音楽、演劇、スポーツ、料理、マジック、カードゲーム、プログラミング、野外学習など、季節ごとの多彩なラインナップの中から好みのプログラムを選べ、低所得家庭には手当もあります。

●休み期間中の学童も充実!

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その夏休み版とも言えるのが、サマースクール/サマーキャンプ。1週間程度から、各習い事の教室で実施されています。人気の教室は、年明けからの予約開始からすぐ定員に達してしまうことも。年末年始、冬休み、春休み、各学区による休日などにも同じように行われます。

よりフレキシブルに利用できるのはシッターですが、シアトル地域は全米でも人件費が高いため、1時間約20ドル(約2600円)かかり、チップや交通費、食事代などを渡すとさらに跳ね上がります。日本と違ってアメリカでは基本的に「鍵っ子」はご法度であり、ちょっとの間でも子どもを置いて外出したり、近所の公園や友人宅にひとりで行かせて遊ばせたりということはできませんので、仕方のない出費と言えます。

ただ、職種や職場にもよりますが、アメリカでは「ちょっと子どものお迎えに行ってくるから」と仕事を抜けるのは、かなり許容されている気がします。不定期の休校や子どもの病欠により出社できなくても、「仕方ないね」という雰囲気。個々に業務が明確に決められているため、「やることをやっていればOK」というのが、アメリカで働くよさかもしれませんね。普段から残業もほぼありません。

ちなみに、シアトルのあるワシントン州では有給の病欠が認められていて、本人ではなく子どもの病気や通院でも規定以内の日数であれば適用されます。