キャッシュレス決済が普及して、スマホで簡単に支払いができるようになりました。以前よりネットで買い物をする機会が増えた方も多いでしょう。ここでは、身近に起こり得る「詐欺」について知り、未然に防ぐためのコツを教わりました。
2022年、フィッシング詐欺に使われたブランド5つとは?
すべての画像を見る(全8枚)ショッピングサイトの振りをしたメールやSMS(ショートメッセージ)で個人情報を盗み出す「フィッシング詐欺」。発生件数はなんと毎月8万件近くにもなるのだそう。クレジットカード番号や、金融機関のIDやパスワードを盗まれるなど怖いケースも。
メールやSMSにショッピングサイトからメッセージが届き、「そういえば買い物をしたかも」と文面のリンクをクリックしそうになったことはありませんか?
もし「これって流行っている詐欺だよね」とご自分は回避できても、高齢の親御さんや子どもさんは被害に遭ってしまうかもしれません。
身近に迫る犯罪の被害に遭わないため、騙されないためにはどんなことに注意すればいいのでしょうか。
詐欺電話やSMSを識別するアプリを展開するWhoscall株式会社CEOのジェフ・クオさんに教えてもらいました。
●1:通信障害やショッピング料金に関する詐欺。まずはニュースを確認する
クオさんによると、近年では新型コロナウイルス感染症や戦争といった情勢とリンクして
・コロナ対策や給付金に関する詐欺
・株式投資や暗号資産投資といった金融に関するもの
・経済危機、戦争などの世界情勢を悪用した詐欺
・美男美女を装った外国人からSNS等で連絡が来る「国際ロマンス詐欺」
が世界的に増えています。
日本ではSMSを使った詐欺が非常に増えています。たとえば以下のようなケースが急増。
・偽の新メッセージサービスやアプリのダウンロードに誘導するもの
・大手通信会社を装った料金に関する詐欺
「おそらく、詐欺業者がランダムに生成された大量の電話番号リストから一斉にメッセージを送付していると考えられます」とクオさん。
「7月にKDDIの通信障害が起きたときには、『KDDI(au)からの重要なお知らせがあります』など補償を匂わせるような内容の詐欺SMSも多く見られました。困っているところにつけ込んだ本当に悪質な手口ですが、不便や不安が大きいときほど人は騙されやすい状態になります。こうした場合でもまずは落ち着いて、ニュースや公式ウェブサイトなどの情報を確認していただきたいと思います」
●2:短縮URLが記載されたメールやSMSは要注意
KDDIとau以外では、Amazon、Visa、Amexなどショッピングや支払いに関するブランドが詐欺によく使われていました。
「コロナ禍でネットショッピングやキャッシュレス決済を使う人が増えたからでしょう。ほかにも携帯料金や銀行を騙るものもあります」
図のようなSMSに見覚えはないでしょうか? 自分が口座を持っている銀行や、ふだん使っている宅配業者だと疑わずにリンクのURLをクリックしそうになりますね。
「詐欺メールやSMSの中に記載されているURLは偽のウェブサイトに誘導するものですが、クリックしただけでも電話番号が相手にわかってしまい、さらなる詐欺のカモになる恐れがあります。こうしたURLには短縮URLが使われていることが多いことがわかっているので、絶対にクリックしないでください」
スマホだとうっかり指が触れてクリックしてしまうことも。落ち着いて操作できるまでは、スマホに触らないようにしましょう。
●3:平日の10時~18時の見知らぬ着信やSMSメッセージに注意
「私たちが調べたところ、平日の10時~18時に多くの詐欺行為が発生しています。つまり、忙しく活動している間にメールやSMSが届いているのです。電話によるものもあります。普通の企業や施設は営業している時間帯ですから、休み時間や終業後に気づいて急いで対応しなきゃと思われる方もいるでしょう。とても誠実な反応ではあるのですが、相手は詐欺グループかもしれないので、一呼吸おいて判断しましょう」
昼間はおうちにいる高齢者が多い時間帯。ほかの家族が在宅していない、遠方で連絡がつかない時間帯なので、オレオレ詐欺や悪質な訪問販売などにも遭いやすくなるとのこと。
家族で対応方法を決めておいたり、折に触れてシミュレーションをしておきたいですね。