アドバイス:それぞれの空間の質を考えて室内窓を設けて

リビングの窓
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Kさんのように室内窓をつけて、すてきなインテリアを実現したい、狭さを感じないよう開放感をだしたいと思っている人も多いでしょう。しかし、つける場所はよく検討した方がいいようです。一級建築士・大島健二さんが詳しく解説してくれました。

 

●大島健二さんからのアドバイス

吹き抜けと室内窓
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畳の間を襖(ふすま)で仕切っていた時代から、高度成長期以降、核家族化やプライバシー意識の変化などで、住まいの個室化が進みました。その後「もう少し各部屋同士のコミュニケーションを取りたい、プライバシーは守りつつ気配は感じたい、通風・採光をしたい」という揺れ戻しの現象が起きています。

そんななかで注目されるようになったのが、室内窓。リビングと2階の個室のコミュニケーションをよくするため、吹き抜けに室内窓を設けるなど、効果的な使い方も増えています。

しかし昨今は、単なる「おしゃれインテリア・装飾窓」というだけの「室内窓ありき」で設計が進められることが多く見られるようになりました。

とくに寝室には、機能として睡眠の質に重きを置く必要があり、「音・光・暑さ寒さ」などを慎重に調整して設計したいところです。玄関とは対極の空間なので、安易に室内窓を設けるべきではないでしょう。

室内窓は、それぞれの空間の質をどうしたいのかをよく考えて設ける必要があります。

●教えてくれた人:大島健二さん
一級建築士。OCM一級建築士事務所主宰。住宅から商業施設まで、和・洋・中の概念を超えたデザイン性の高い空間を提案している。『家づくり解剖図鑑]』『建てずに死ねるか!建築家住宅』『下町の名建築さんぽ』など著書も多い

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