●見た目スッキリのセントラル空調
すべての画像を見る(全8枚)例年、夏は日本よりも過酷な暑さとなるアメリカ中西部や南部では、冷房をセントラル空調に組み込んでいる家庭が多いようです。巨大な室外機を庭に設置する必要がありますが、広々とした敷地を持つ中西部や南部の家では問題にならないのでしょう。
西海岸でもセントラル空調の家がほとんどなのですが、冷房はなく、暖房のみ。日本の雪国で最近浸透してきている、いわゆるセントラルヒーティングですね。
これのいいところは、家全体の温度をボタンひとつで設定、管理できること。エアコンや灯油式の暖房では、設置した部屋だけを暖かくしますが、セントラルヒーティングでは、玄関、廊下、キッチン、トイレ含め、あらゆる空間を同じ暖かさにできます。
アメリカの家はダクトが壁の内側を通り、天井や壁、床にはめ込まれている吹き出し口から温風が出てくる仕組み。給気口もはめ込みです。通常、ボイラー設備は地下やクローゼットの中などに置かれているので、インテリアなど部屋のデザインや雰囲気には影響なし。メンテナンスも、ダクト清掃を数年に1回、フィルター交換を年に1回くらいと、それほど苦になりません。
●しかし、デメリットも…
デメリットは、時間帯や場所によって希望通りの温度に調整するのが難しいところ。たとえば、夜に暑過ぎるとなかなか寝付けないので、寝室は冷やしておきたいのですが、設定がうまくいきません。基本24時間稼働のセントラルヒーティングでは禁じ手かもしれませんが、わが家では夜間にいったん切って、朝にスイッチを再びオンにします。
また、光熱費が高くなるという欠点も。うちはガスですが、暖房の熱源によってはもっとかかりそうです。冷房機能もあれば、さらにコストは高くなります。家の中が乾燥しやすいのも欠点と言えるでしょう。
アメリカでも近年は、環境保護やエネルギー効率の観点から日本式のエアコンなど、「ダクトレス」冷暖房は注目を集めています。寒さの厳しい日の朝などは特に、暖かいトイレにセントラルヒーティングのありがたみを感じますが、それも一長一短ですね。
古い家やアパートはセントラルヒーティングになっていないため、昔ながらのオイルヒーターが備えつけてあったり、個人的に最新のパネルヒーターを購入したりしているようです。