●引退を考えていたときに舞い込んだ思いがけない話
すべての画像を見る(全5枚)あちこちで料理教室を開くかたわら、「スパイスブレンダー」としてカレー屋さんのプロデュースをしたりと、精力的に活動を続けてきた吉山さんですが、70歳になり、引退を考えるようになりました。
そんなときです。東京で食品会社を営む姪から、思いがけない提案が舞い込みました。
「私が久留米にスパイスのお店をつくるから、タケちゃん(吉山さん)は主宰者になって」
「私はもうこんな歳だし、スパイスのお店なんて絶対無理、と初めは何度も断ったのですが、姪に説得されてしまって。もう一度力を振り絞って、頑張ってみようと思いました」
こうして生まれたのが、スパイス専門店「TAKECO1982」。お店のデザインやインテリアは、吉山さんが好きなヨーロッパや南米風のテイストに。「私が昔から大事に買い集めていた食器や雑貨も、店内に飾ってもらいました」
一時期休んでいた料理教室も、お店で再開。募集をかけるとたちまち満席になるほどの人気です。
「以前、移動料理教室をしていたときとは全く違う、若い人たちとの出会いがあります。皆さんが『食べて元気が出ました!』とか、『家族にもつくって喜ばれました』と言ってくださるのがすごく嬉しい。73歳になって新しいことに挑戦できるなんて、私自身が驚いています。今となっては、お店は私の生きがいです」
吉山武子さんの、「スパイスに魅了された人生」はいかがでしたか?『80歳のスパイス屋さんが伝えたい人生で大切なこと』(KADOKAWA刊)もぜひチェックしてみてくださいね。