●お金はどんどん使ったほうが幸せになれる

認知症やうつ病を防ぎ、毎日を楽しく過ごすためにはどうしたらいいのか。その一つは、自分の楽しみのためにお金を使うことだと思います。

極論と思われるかもしれませんが、日本という資本主義社会に生きている以上、お金は使えば使うほどに幸福感が高まります。また、お金を使っている人ほど、周囲から大切にされるのも事実です。高齢になればなるほどに、その兆候は顕著に現れます。お金をもっていれば幸せと思うかもしれませんが、ケチであることがバレたとたんに離れていく人はいっぱいいます。子どもたちだって待っていれば相続財産が転がり込んでくるので、今お金を使ってくれないのなら、寄りつかないということはざらにあります。

旅行する夫婦
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逆にお金を使って周囲の人から大切にされれば、それだけ自己肯定感も上がりますし、ストレスも減るので認知症やうつ病の予防にもなるでしょう。また、知らない土地へ旅行に行ったり、新しいお店に行っておいしいものを食べたりするという刺激を受けると、前頭葉も活性化されます。

健康やアンチエイジングにお金を使い、いろいろな場に遊びに行けば、幸福感も高まります。さらに、孫や子どもとの思い出づくりや教育費のためにお金を使えば、それだけ家族たちからは大切にされるでしょう。

高齢になってもなお、「将来が不安だから」とお金を使わずに済ませようとする人は多いのですが、年金をもらえる年齢であれば、病気になって入院することになっても、国の保険制度を使えば支出はほとんどかかりません。

むしろ、体が動いて頭もしっかりしているうちに、せっかくのお金を使っておかないと、楽しめない上、心身の老化が進んでしまいます。

高齢者が家族に財産を残そうとしてお金を使わないがゆえに、多くの金融機関で預貯金が貯め込まれていることは、私自身も大きな問題だと考えています。お金が使われない状態が続くと、日本経済が停滞し、それこそ次世代への負の遺産になってしまいます。

子どもや孫のことを考えるのであれば、財産を残すことよりも、彼らがよりよく生きられる社会をつくるために、どんどんお金を使って経済循環をよくすることが必須です。現在でも消費税を上げることで税源不足を補おうという議論が進んでいますが、私自身は、いっそのこと相続税を税率100%にして、高齢者が残した財産はすべて税金にしてもらうほうがいいと思っています。そうすれば、若者の税負担も減るし、何より税金でもっていかれるくらいならと高齢者がお金を使うようになり、景気もよくなるはずですから。

 

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