●6:目の前にご褒美を用意して「とにかく動く」

「ADHD当事者は酬系機能が弱く、遠い将来の成果・報酬よりも“今この時”の感情を優先してしまいがちと言われています」と西原さん。

そこで、目の前に人参をぶらさげて動きやすくなる効果を狙って、自分にご褒美を与えるテクも。“SNSやチャットアプリなどを駆使して他者に励ましてもらう”など、すぐにもらえる報酬を自己設定するという手も。

「すべての作業を熟考してから動こうとすると面倒に感じて先延ばしにしてしまうので、『とにかく動く!』と言葉に出して立ち上がることでスイッチが入ります」と教えてくれました。

声で知らせてくれるタイマー「こえタイマー」(iPhone)や、三日坊主を防止する習慣化アプリ「みんチャレ」(iPhone、Android)など、スマホアプリの活用もおすすめなのだとか。

 

●魔法のテクニックはないからこそ地道に工夫

ランドセルは置き場所を決めてテープで指定する
ランドセルは置き場所を決めてテープで指定する
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「ADHD当事者が一気に片づけられるようになって絶対リバウンドしない『魔法のテクニック』はありません」と明言する西原さん。
当事者としてそれを誰よりも理解した上で、よりラクに片づけてなるべく長く続けられる工夫を紹介していただきました。

片づけを前に重い腰が上がらないという方には、思いきって周りからサポートを受けるという方法も。
「自分の気持ちにスイッチの入ったことには過度に集中してしまう」という特性を持つADHDなだけに、一度プロに頼って片づけに興味を持つことで、片づけのルーティン化も期待できそうです。